「映画版ならではの迫力ながら、ラストが蛇足。(16.3/7・劇場)」
ジャンル:時代劇
製作年/国:2016年/日本
配給:東宝
公式サイト:http://www.nobunaga-concerto-movie.com/
上映時間:126分
公開日:2016年1月23日(土)
監督:松山博昭
出演:小栗旬、柴咲コウ、向井理、藤ヶ谷太輔、水原希子、古田新太、濱田岳、高嶋政宏、山田孝之、でんでん、勝矢、坂田マサノブ、阿部進之介、北村匠海ほか
「月刊少年サンデー」で絶賛連載中の石井あゆみさんによる大ヒット漫画を原作に、2014年に放送され人気を博した小栗旬さん主演のテレビドラマの劇場版。戦国時代にタイムスリップし、織田信長として生きることになった現役高校生の主人公・サブローと、かつて本物の信長だった男・明智光秀との最後の戦い、いわゆる<本能寺の変>までを描く。ドラマに続いて一人二役を演じる小栗旬さんの見事な殺陣さばきや、劇場版ならではの大規模な合戦シーンにも注目の作品。
原作漫画版は電子書籍で、一応、12巻までは読んでいますが、歴史的な史実の時代考証については、歴史上の史実にもかなり忠実な内容の漫画になっていて、日本史好きの人が読んでも、これが、かなり面白いのですが、連続ドラマ版においては、漫画版とは史実や趣が若干違いながらも、連続ドラマ版はこれはこれで、面白い出来栄えにはなっていましたね。
ただ、私の場合には、連続ドラマ版の再放送を録り溜めしたBD-Rにて、事前にドラマ版全11話分を予習していたので、所謂、本能寺の変に至るまで、自分の姿とソックリな本物の信長と入れ替わって、天下統一を目指しながら、平和な世の中を作るべく奮闘するサブローが築いてきた、池田恒興(向井理さん)はじめ家臣団との人間関係や、帰蝶(柴咲コウさん)の父親の斎藤道三(西田敏行さん)などと戦国大名などとの逸話などを理解して映画鑑賞に臨めたので良かったのですね。
連続ドラマ版では、原作漫画版とは異なり、たとえば、帰蝶と斎藤道三などの、親子愛などを強調しながら演出していた様にも思いますね。
ですから、一応、この映画の冒頭にも連続ドラマ版のダイジェストがあるとは聴いてはいましたが、私の予想に反して、あれ位の、ほんの数分の解説では、かなり理解し難いと思いますので、これから映画版を観賞に行かれる人は、もしも未だテレビドラマ版を未見でしたらば、是非とも、DVDレンタルででも、ドラマ版全11話を予習しておいてから観るべきかとも思いますね。
で、連続ドラマ版では主に親子愛などを強調して演出することによりホロリと涙を誘うような脚本になっていましたが、映画版の場合には、帰蝶と(信長と入れ替わった)サブローとの恋愛模様を中心に描き、その上で、あの本能寺の変に至るまでのラブストーリー仕立てになっている感じでしたね。
この映画版では、<本能寺の変>へのお話の持って行き方は、原作漫画自体が未だ連載中で未完であるにも拘わらず、何故に、明智光秀(本物の信長)が謀反を起こすのかとする上では、すごく上手い理由付けにしてありましたね。
何よりも、羽柴秀吉(山田孝之さん)が、原作漫画では、単に、今川義元方の間者(忍者)から身を興した<羽柴秀吉=忍者説>以外には、取り立てて、その人物像には説明がないにも拘わらず、このドラマ版・映画版では、羽柴秀吉が、義憤ではなく、織田信長によって親などを村ごと焼き払われた私怨を抱いている人物像に仕立て上げてあるので、その点では、人物相関図的には、非常に解り易い構図にはなっていますね。
ただ私的には、帰蝶とサブローのラブストーリー仕立てなお話だったので、あくまでも個人的な見解ですが、連続ドラマ版のような、親子愛などで、ホロリと泣けてくるような部分がなかったのが残念でしたね。
また、劇場版ならではの大規模というか大掛かりな合戦シーンなどが、やはり連続ドラマ版とはそもそもの予算が違うからか、迫力が凄かったですね。
但しながら、ラストのくだりが、かなりの蛇足というか、SF時代劇という内容からすれば、それも有りなのかも知れないですが、夢のない観方をしますが、現実的に考えても、あの様な結末は、電気のない戦国時代には不可能かとも思いますので、私的には、もっと現実的な納得がいくエンディングにして欲しかったですね。
私的な評価と致しましては、
未だ原作漫画が未完のままである中、一応の結末を迎えさせるには、あの様な形になってしまうのは仕方がないのかもしれないですが、<本能寺の変>の後の展開については、容易に予想が立つ様な展開でしたので、その点では、もうひと捻り欲しかったですね。
また、欲を申しますと、帰蝶とサブローとのラブストーリー仕立てのお話がベースでしたので、イマイチ感動的というほどまでには至らなかったのが残念でしたね。
とは言え、なかなか2時間強の時間も気にならないほど集中して観賞出来ましたので、面白く観ることは出来ました。
以上から、ラストの蛇足なくだりの点を差し引きましても、そこそこ面白かったので、★★★★(80点)の高評価を付けさせて頂きました。
※尚、この劇場版の作品単体での評価は難しいですね。やはり連続TVドラマ版と併せて観ての評価にはなってしまいますね。
※それに致しましても、アニメ映画『バケモノの子』にせよ、この『信長協奏曲』にせよ、ミスチルが主題歌をタイアップする作品はヒット間違いないみたいですね(汗)。
●Mr.Children:「足音 ~ Be Strong」 Music Video
●映画『信長協奏曲』映画オリジナル予告編
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『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』(2016年)
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