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神戸王子動物園にパンダを観に行ってきた! #神戸王子動物園 #パンダ #コアラ #その街のこども

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今日は、あの阪神淡路大震災から数えて、23年目を迎える1月17日。

 

昨年にも、オススメしていました阪神淡路大震災に関連するドラマの映画版である『その街のこども 劇場版』(2010年)の記事もリブログで再掲しておきますね。


 

決して、この日に併せた訳でもないのですが、

このブログの読者の方から、「また、水族館や動物園などに行った記録もブログ記事にUPして下さい。」とのリクエストも頂いていましたので、この機会に、今回も今更ながらの記事になりますが、昨年の12月に邦画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』を鑑賞に行った、ちょうど1週間前の12月10日(日)に、彼女と、彼女の甥っ子さんを連れて、神戸王子動物園まで、日本で唯一、パンダとコアラを一緒に観る事が出来る動物園ということで、可愛い動物達の見学に行って来た際の様子などを記させて頂きます。

 

 

 

これまで神戸市には仕事やプライベートでも何度も足を運んで来ていましたが、この神戸王子動物園には今まで1度も行った事がなかったので、私も愉しみにしていました。

 

京都市内から神戸市までは高速道路を使えばそれ程にも時間を要する距離でもないのですが、私達は、出来る限り、無駄なお金は遣わず、高速道路には乗らずに、下道の国道1号と2号とを使って神戸に向かうことにして、朝6時に京都市内の私の家を出て、彼女と甥っ子さんを迎えに行き、午前6時50分頃に京都を出発。(姪っ子さんは前日から急遽風邪のため今回は留守番でした。)

国道1号も2号も日曜日の朝だとそれほど混み合う事もなく、途中で2度ほどコンビニでトイレ休憩をとりながら、のんびりと行きました。

 

2度目のトイレ休憩の際には、ちょうどカーナビのTVで、大谷翔平選手のメジャーリーグのエンジェルス入りの入団会見の模様を生中継していました。

 

そして、神戸王子動物園には開門時間の午前9時をちょっと過ぎた午前9時20分頃には、なんとか無事に、駐車場まで到着。

のんびり下道の国道で行って約2時間半くらいでした。

 

●神戸王子動物園

〒657-0838 神戸市灘区王子町3-1 ☎(078)861-5624

→ http://www.kobe-ojizoo.jp/

 

入場するなり、フラミンゴなどを横目に、真っ先に、真正面奥のジャイアントパンダ舎に向かいました。

 

 

 

サービス精神旺盛なタンタン(旦旦):(♀)は、朝早くからジャイアントパンダ舎をグルグルと活発に散歩して廻ってくれて、見学者の直ぐそばまで近づいて来てくれて本当に可愛かったです。

 

南紀白浜アドベンチャーワールドのパンダたちに比べて、この神戸王子動物園のパンダのタンタンは、人懐っこく感じましたね。

 

 

 

「動物とこどもの国」の中のコアラ舎

 

 

 

コアラはユーカリの木の上で寝てしまっているのが可愛かったですね。

 

 

リスやレッサーパンダは獣舎が工事中のため観る事が出来ず残念。

 

 

寒さ除けなのか?外敵防止用なのか?何故だかドームに入って動かないコツメカワウソ。

 

 

 

 

 

サービス精神旺盛なカリフォルニアアシカが可愛かったです。

 

 

 

 

 

 

ホッキョクグマは年老いて体調不良の様でした。

 

これがボブキャット。トムキャットじゃないです。

 

 

ヒグマが凄く大きくてビックリしました。

 

 

ワオキツネザルやリスザルの仲間達も可愛かったです。

 

園内の遊園地では、彼女も、彼女の甥っ子さんも、このチェーンタワーという乗り物に3回も載るほどハマっていました。

私は1回目で目が回ってリタイヤしました(苦笑)。

(画像は、神戸王子動物園の遊園地のサンプル画像)

 

 

そして「動物科学資料館」の手前の広場のテーブルで、彼女の手作り弁当を食べました。

急遽、姪っ子さんが風邪で欠席になったので、おかずの量もおにぎりの数も少々多めでしたが、お腹いっぱい食べました。

 

冬の動物園はすごく冷え込んで寒いのですが、この「動物科学資料館」の中に入ってみますと、かなり暖房も効いていて、出来れば、この中でお弁当を食べたら良かったと思うくらいに、この屋内は暖かかったですね(^^)v

 

ですので、今後、来園される御方々は、この「動物科学資料館」の中で暖を採られるの良いかも知れないですね。

 

 

 

 

 

様々な動物に関する学習が出来るパソコン機器や教材が並んでいて、大人でも結構勉強になるものも多かったですね。

 

「動物科学資料館」の中からもペンギンの獣舎が臨める様になっていました。

 

 

コウモリなどの「夜行性動物・は虫類」の獣舎なども見学したのですが、撮影禁止でしたので写真はなし。

 

あと「草食動物」のエリアも動物園の一番奥の高台から眺めていたのですが、カンガルーたちも皆横たわって日なたぼっこしていました。

 

 

そして、動物園内にある「旧ハンター住宅」という国指定の重要文化財である異人館が、映画「鋼の錬金術師」のロケ地として使用された事から、映画公開記念として特別無料拝観させて下さっていました。

(今回は「旧ハンター住宅」の内部にも入れる様でしたが、あえて外からのみの見学に留めました。)

 

 

 

午前9時20分から午後1時40分頃まで、約4時間20分ほど滞在。

動物園だけでも充分堪能出来た様でした。

 

その後、メリケンパークに向かいましたが、タイムズのメリケンパークの駐車場の待ち時間がすごく長くて、午後2時には到着していたのですが、駐車場待ちのクルマの行列でしたので、クルマの中でカーナビで「ミニオンズ」を観て時間を潰して、結局、約1時間後の午後3時ちょうどに入場出来ました。

 

 

 

彼女や彼女の甥っ子さんには、「世界一のクリスマスツリー」と銘打った神戸港開港150周年記念のモニュメントを一緒に観に行くつもりで、メリケンパークまで来ましたが、実際に観てみると、生きた樹の植樹でもなく、全長も、鉢で嵩上げしてあったりと、想像していたよりもイマイチだったので、ちょっと残念でしたね。

 

 

このモニュメントも、あくまでも、神戸港開港150周年記念事業の一環という位置付けのはずが、知らぬ間に、糸井重里さんなどの識者の間で、阪神淡路大震災の震災復興と関連付けて議論されたりしたことから波紋を呼んだみたいですが、そもそもがメリケンパークの震災復興メモリアルパーク内に設置したから話しがややこしくなったのかも知れないですね。

 

 

雲行きが怪しくなって来たのもあり、私は、これまでもう幾度となく、メリケンパークには来ているものの、肝心の神戸ポートタワーには1度も入場したことがなかったので、ウルトラセブンの「ウルトラ警備隊 西へ・後編」においても決戦の舞台として登場する神戸ポートタワーには是非とも昇ってみたかったため、雨が降るまでにと慌てて入場しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、メリケンパークには15:00~15:44まで駐車していたのですが、駐車時間44分にも拘わらず、駐車料金は僅か200円でした。

何でだろう??ちょっと得した気分でした。

 

その後、<神戸ルミナリエ>に開催に伴う交通規制が土日は16:00から開始されるみたいでしたので、小雨も降ってきたので、今度も下道を利用して、慌てて帰路に着きました。

 

但しながら、帰路の最中は凄い渋滞に巻き込まれて、結局、16:00前に神戸市街を出発して、京都には19:40頃に到着し、天丼屋さんで、遅めの夕食を摂って、彼女と彼女の甥っ子さんを家まで送って、帰宅しました次第でした。

 

※帰路では高速道路も渋滞していたみたいですが、慣れない下道の運転には、非常に疲れたので、今後は、帰り道くらいは、高速道路を利用して帰宅しようと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。


『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年) #出町座 #新感染 #パニック #ゾンビ映画

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旧・立誠小学校の跡地の教室を再利用した立誠シネマ・プロジェクトから、クラウドファンディングによる資金募集も活用し、京都・出町枡形商店街内に場所を移し、地下1階と2階部分に劇場を備えた、映画館×カフェ×本屋という複合文化施設の<出町座>として、昨年末の12/28(木)よりオープンされ、無事に再出発を果たされ、新たな文化拠点として誕生。

 

 

●出町座(@demachiza)::https://demachiza.com/

〒602-0823 京都府京都市上京区今出川通西入上ル三芳町133

(出町枡形商店街内)

☎:075-203-9862 FAX:075-320-2526

 

この文化拠点の中のミニシアターに、この程、私も微力ながらも、立上賛助会員として支援金を僅かながら提供させて頂いていた事もありますが、会員期間2年間に対して、10枚分もの招待券をリターン品として大盤振る舞いにご用意して下さっていたので、少々、来訪するのが遅くなってしまいましたが、年始が明けた1/13(土)に機会を作って、私的には、アニメ映画『夜明けを告げるルーのうた』を観たかったのですが、彼女と相談の上、韓国産のパニック映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』を鑑賞するべく、初の出町座への来館を果たしました。

 

 

映画の招待券は、同伴者も利用可能でしたので、早速、私と彼女の分とで2枚分使用。

 

 

映画もさることながら、この新たな文化拠点のカフェなどの雰囲気も味わいたいと思い、午後7時30分からの上映開始の映画でしたが、早々にも、午後4時30分前後に到着し、café「出町座のソコ」にて、メンチカツのサンドウィッチと珈琲を頼んで食しながら時間を潰そうにも、あいにくとcaféのカウンター席に、いつまでも長居するわけにも行かず、映画が始まる午後7時30分までは時間が有り余るほど余裕があったので、出町枡形商店街の中をウィンドウショッピングしたりしても、未だ未だ時間の余裕があり困惑していたのでした。

 

 

そんな時に、caféの混雑も解消してきたこともあり、caféの店長さんから私達に、直々に気さくにお声掛けをして下さり、出町座のオシャレな空間に圧倒されて、面喰らって田舎者の私には少々居心地が悪くて、正直困っていたのが、一気に親近感も増して、どうにか映画上映開始までの間の時間を費やすことも出来て、café「出町座のソコ」の女性店長の築地静香さんの人間味溢れる温かさに触れて、ホッコリ出来て良いひとときを過ごせ、有り難かったでした。

 

 

そして、肝心の、出町座での初作品として『新感染 ファイナル・エクスプレス』を鑑賞してきたのですが、

率直な感想と致しましては、前評判通り。いやそれ以上に、かなり面白いパニック映画であり、ゾンビ映画でした。

 

▲出町座の地下1階のシアター(許可を貰って撮影させて頂きました。)

 

「極限状態での人間の本性を描いたパニック映画(18.1/13・字幕)」

ジャンル:パニック映画

原題:TRAIN TO BUSAN

製作年/国:2016年/韓国

配給:ツイン

公式サイト:http://shin-kansen.com/

上映時間:118分

公開日:2017年9月1日(金)

監督:ヨン・サンホ

キャスト:

コン・ユ、キム・スアン、チョン・ユミ、マ・ドンソク、チェ・ウシク、アン・ソヒ、キム・ウィソン、チェ・グィファ ほか

 

 

【解説】

ソウルとプサンを結ぶ高速鉄道の中で突如として発生した、謎のウィルスの感染拡大によって引き起こされる恐怖と混沌を描いた韓国製サバイバルパニックアクション。

ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。スアンは誕生日にプサンにいる母親にひとりで会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。

ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。そして2人の乗ったKTX101号にも、謎のウィルスに感染したひとりの女が転がり込んでいた。

主人公のソグ親子のほか、妊婦と夫、野球部の高校生たち、身勝手な中年サラリーマンなど、さまざまな乗客たちが、感染者に捕らわれれば死が待ち受けるという極限状態の中で、生き残りをかけて決死の戦いに挑み、それぞれの人間ドラマが描かれる。

韓国のアニメーション界で注目を集めてきた新鋭ヨン・サンホ監督が初めて手がけた実写長編映画で、今作の前日譚となる物語が長編アニメ「ソウル・ステーション パンデミック」で明らかにされている。

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

 

 

私は、ゾンビ映画といえば面白い系の品川祐監督による『Zアイランド』か若しくは、佐藤信介監督の『アイアムアヒーロー』などの日本製のゾンビ映画くらいしか観た事がなかったのもあり、そもそもゾンビ映画系のパニック映画は得意な方じゃなかったのですが、今回の映画は、感染爆発という極限状態に直面した際の人間の本性を赤裸々に暴き出すことを主たるテーマにした、新感覚的なゾンビによる感染爆発映画でしたので、最後の最後まで面白く観ることが出来ました。

 

 

 

パニック映画として観れば、仕事優先で家庭を顧みなかった、主人公の投資ファンドマネージャーのソグ(コン・ユ)が、彼の一人娘スアン(キム・スアン)を連れて、別居中の妻の元へ、ソウル発プサン行きの高速列車で娘を送り届けるというだけのシンプルな設定でありながら、感染爆発という極限状態の中で人間性を取り戻していく主人公が特に良かったでしたね。

 

 

発車寸前に人間を凶暴化させる謎の病原菌に感染された女性が列車に乗り込み、次々に乗客を襲い、あっという間に列車内に感染が拡がり、感染者はゾンビ化していき、未感染者達は、動く高速列車という逃げ場が限定された中で、次第に追い詰められていき、感染の恐怖から軋轢が生じ、次第に各々の本性がむき出しになっていくのでした。

そんな中、自分本位で他人の事は考えない主人公たる父親とその反対の行動をとる娘とが、この感染爆発にある列車内という極限状態の中で、次第に、家族を、そして仲間の事を尊重し想うようになり、彼の人間性が蘇ってくる過程が感動的でした。

 

 

 

 

また、本作では、主人公親子の他、妊婦のソンギョン(マ・ドクソン)を気遣い、その旦那さんであり、主人公の相棒的な役割のサンファ(マ・ドクソン)が、辛口で粗暴なところはあるものの、気が優しくて力持ち、腕っ節だけで感染者をなぎ倒していくといった、主人公とは一見すると真逆の人間性豊かな配役で大活躍してくれていました。

 

 

また高校の野球部員と女性マネージャーのカップルに、年老いた姉妹、更には、ホームレス。

 

 

 

 

そして、憎々しい、中年の、バス会社の取締役の役員。

最後まで自分本位で、生き延びるためならば手段を選ばない。

人間のエゴを丸出しにした存在ではありましたが、この映画では、彼に同調する未感染者をより多く描くことにより、彼の醜悪さは特別なものではなく、普通の人間が持ち合わせている姿の投影なのかも知れないですね。

 

 

また、高速鉄道の運転手は最後の最期まで仕事に忠実に人命を尊重しようと図る姿も尊かったですね。

それにしても、これだけ色んな登場人物によるストーリーが混在しているにも拘わらず、色々と、ごちゃついていないところも脚本が上手いのでしょうね。

ほとんど感染者から逃げ回るだけにも拘わらず、根底には韓国の格差社会や上下の軋轢なども韓国社会の抱えている問題点をも感じさせる点もお見事でした。

 

 

また単なる偶然かも知れないですが、北(ソウル)から南(プサン)へ避難するという視点にも何か意味深めいた意味合いを持たせているのではと考えさせるところもありました。

 

また何よりも国のトップや軍関係の司令部などが一切登場しないのも潔いと言おうか、ひたすら修羅場の現場を描ききるといった現場主義的な演出も良かったです。

 

 

日本では新幹線でゾンビによる感染爆発映画は作れないだろうなぁ。

三池崇史監督の『藁の楯』(2013年)で殺人犯の護送の描写に新幹線を使用するに至っても、日本では撮影許可が下りなかったのか、台湾の新幹線の中で撮影させてもらったくらいですからね。

 

 

邦題の「新感染 ファイナル・エクスプレス」には賛否あるようですが、原題の「釜山行き列車」という地味なタイトルで、これで韓国の人達は高速鉄道って理解出来るのかと不思議に思いましたが、日本で言うところの「博多行き・のぞみ」とかいうニュアンスなのかも知れないですね。

邦題は、ダジャレだけど案外ウマくキマッているかとは思いますよね。

 

私的な評価と致しましては、

単なるゾンビによるパニック映画という訳ではなく、極限状態における人間の本性をあぶり出した点で、新感覚的なゾンビによる感染爆発映画でしたので、最後の最後まで面白く観ることが出来ました。

そういう意味合いでは、ゾンビ映画が苦手な人でも感動出来る脚本仕立てになっているかとも思いましたし、現にゾンビ映画を得意としない私でもかなり感動してしまったパニック映画でした。

伏線の回収も上手くて、本当に良く出来た映画だったと思いましたね。

まさかゾンビが出て来るパニック映画でホロリと泣かされるとは思いもしなかったのもあり、五つ星評価では、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の四つ星半の評価も相応しい出来栄えの作品だったと思いました次第です。

 

●『新感染 ファイナル・エクスプレス』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※それと、<出町座>さんの公式サイトへの記載とは別に、映画上映開始前のオープニングロールに、クラウドファンディングで立ち上げに際して支援した人達の名前が列挙されているはずでしたが、公式サイトの物とは少し仕様が違うのか、私も、彼女と一緒に、私の名前を探しましたが、五十音順とかとは、また違うみたいでしたし、何故だか名前が見当たりませんでした(汗)。

次回の愉しみとして、名前が見付かる事を期待したいと思っている次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『悪と仮面のルール』(2018年) #中村文則 #玉木宏 #αstation #FM京都

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年明けの1/10(水)。

年始早々、混み合う病院で診察待ちの時間に、本当に、久し振りに、スマホのradiko.jpにて、α-station(FM京都)を聴きながら、診察を待っている中、「サニーサイドバルコニー」という番組のDJ寺田有美子さんが担当する水曜日の放送にて、芥川賞作家・中村文則さん原作の「悪と仮面のルール」を映画化した作品の劇場鑑賞券(ムビチケ・ペア券)を2組4名様にプレゼントという告知が番組内であったため、すかさず応募したのですが、なんと翌日に宅配便で届き、見事に当選(^^)v

実にLucky!!!

今年も幸先良いスタートが切れた様な思いに浸っていました。

 

 

で、早速、その日のうちに、彼女と連絡を取り、週末の1/14(日)の公開2日目に、上映館のTジョイ京都に鑑賞に出向きました。

 

 

しかしながら、結論から申しますと、率直な感想と致しましては、

中村文則さんの同名小説の原作は未読でしたが、かなり期待を膨らませて鑑賞に臨んだ割りには、出演者が頑張って好演しているにも拘わらず、睡魔が襲ってくるほど、イマイチ面白味が欠ける残念な出来栄えの映画でした。

「本当にコレはゴメンなさい。」級というランクって感じの非常に残念な作品でした。

 

 

おそらく文学として読む分には、海外でも高く評価されている小説でもあり、「原作小説の方はかなり面白いのかも?」とは容易に想像は出来ましたが、先ずは、文学的・哲学的な、あえて難解な説明口調な会話劇を、小説の文面そのまま踏襲したのか、現実の会話として使用している点で、不自然さがつきまといましたし、「こんな日常会話をする人は先ずは居らんやろう?」という位に、頻繁に文学的・哲学的な難解な表現口調を使用していたので、一体いつの時代の設定で日常会話しているのかと困惑してしまうほどに、仰々しい会話劇には、空々しくて、かなり場が白けてしまった感じは受けましたね。

 

小説の中の文章として読む分には哲学的な一見格好の良い台詞も、あまりにも頻繁に日常会話的に使用すると、説明過多な台詞に感じて、耳障りも良くないし、先ず、そもそも論的に、会話が不自然過ぎましたね。

 

たとえば、一般的な会話ならば、「悪」若しくは「邪悪」と言うべきところを、「オマエは私の手でひとつの<邪(じゃ)>となるのだ」と言った感じで、文字化すれば理解出来ても、そもそも<邪(じゃ)>なんて語句を発音だけ聴いても意味合いがピンと来にくいから、一般的な会話では使うこともまず有り得ないにも拘わらず、本作品では、誰も彼もが「邪」「じゃ」「ジャ」・・・。とこの言葉を連呼しまくる。

なんで「悪」や「邪悪」と換言させないのかと、脚本上の台詞廻しに疑問を呈してしまいましたね。

 

テロリストの伊藤亮祐役を好演していた吉沢亮さんでさえも、<邪>という言葉の連呼の台詞廻しで実にウンザリ気味でしたね。

 

 

 

文字も目で読むのと音で聴くのとでは、同じ意味合いの語句や言葉でも、かなり印象も違いますから尚更ですね。

 

 

「哲学的で難解な説明口調の会話劇が仰々しくて残念(18.1/14)」

ジャンル:サスペンス

製作年/国:2018年・日本

配給:ファントム・フィルム

公式サイト:http://akutokamen.com/

上映時間:138分

公開日:2018年1月13日(土)

監督:中村哲平

キャスト

玉木宏、新木優子、吉沢亮、中村達也、光石研、村井國夫、柄本明

 

 

【解説】

芥川賞作家の中村文則による同名サスペンス小説を玉木宏主演で映画化。

財閥・久喜家に生まれた文宏が10歳となった。狂気であり、巨悪である文宏の実父は、文宏の出生の秘密を息子に告げる。それは文宏が純粋悪の<邪>となることだけを望まれて生まれた存在で、さらに<邪>となるための教育として、14歳の誕生日に「お前に地獄を見せる」というものだった。

その日までに1年を切ったある日、文宏は思いを寄せ合う久喜家の養女・香織が父の手によって汚されるという、地獄のごとき光景を目の当たりにしてしまう。

香織を守るため文宏は父を殺害するが、その行為は、父が望んだ文宏が悪に近づくことでもあった。

次第に歪み、憎悪する父の面影を宿していくことを恐れた文宏は、香織の前から姿を消し、「新谷弘一」というまったくの別人として生まれ変わる。

10数年後、「新谷弘一」として香織を陰から見守る生活を続けた文宏は、久喜家の本質とも言える「巨悪」に遭遇する。

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

そして更に追い打ちを掛けたのは、久喜家の養女・香織が大人になった姿が新木優子さんという若手の新進女優さんで、透明感もあってお綺麗で良いのですが、幼い頃から久喜文宏と共に育った養女・香織の子供時代の子役俳優とが顔付きが違い過ぎて、違和感アリアリで、もうチョット美形の少女の子役俳優もいなかったものかとキャスティングに疑問符が付き、気になって仕方がなかったです。

 

 

それと、「新谷弘一」と姿を変えた久喜文宏を玉木宏さんが演じている訳ですが、たしか養女・香織とはほぼ同級生くらいの設定だったと思うのですが、その香織を、若手の新進女優さんの新木優子さんが演じるのはお綺麗なのは良いのですが、役者としてのその格の違いも含め、あたかも親子くらい程の年齢差を感じてしまい、観ている最中には、姪っ子を大事にしている伯父さんってくらいの感覚でしか見ざるを得なかったのも、キャスティングミスだった様な気がしてならなかったです。

 

 

お話し的にも、この作品の中核をなすはずの「悪」すなわち<邪(じゃ)>の定義がイマイチよく解らないし共感出来なかったので、作品自体にも、のめり込めなかったと言った印象でした。

 

 

だからなのか、久喜家の「巨悪」たる異母兄の幹彦(中村達也さん)に至っても、絶対的な悪の象徴として登場させるつもりが、単なる心を病んだ普通の犯罪者といった、貧弱で空虚な印象が拭えなかったのも、観ていて理解不能な点でもありましたね。

 

 

「悪と仮面のルール」というタイトルに惑わされているためなのかも知れないですが、主人公・久喜文宏と生涯の想い人たる香織の純粋な部分をクローズアップさせた純愛物語であってサスペンスとは名ばかりのお話しとして映像化させたのかもとも思いました。

 

でも、単なる「純愛物語」では、稀代のサスペンスと名高い原作小説が台無しではなかろうかという気も多分にしたのですが、<邪>たる「悪」と「愛」の関係では、悪を浄化する存在が純愛であるといった形で表現しているとでも言いたげな映像化作品でしたね。

 

 

香織役を演じられた、新木優子さんには罪はないですが、最後まで鈍感な田舎娘としか映らなかったのが非常に残念でしたね。

もうちょっと玉木宏さんとも釣り合いが取れる、たとえば、石田ゆり子さんクラスの清潔感のある端正な美魔女をキャスティングしても良かった様にも思いましたね。

 

存在意義がよく解らない「新谷弘一」を追う、刑事の会田役の柄本明さんの扱いについても然り。

 

 

私的な評価と致しましては、

今年2018年の年明けに観た3本目で既にワースト級の映画に遭遇してしまった感もあった作品でしたね。

もしや原作小説をお読みになられ面白いと感じられた御方々には、この映像化作品の出来栄えでも納得出来るものだったのかも知れないですが、主演の玉木宏さんをはじめ脇を固める探偵役の光石研さんやテロリスト役の吉沢亮さんもなかなか頑張っておられましたが、私にとっては実に残念な出来栄えに感じた1本でした。

 

ただ、そんな中でも、良かった点も挙げさせて頂きますと、劇伴(BGM)がなかなか良かったのが、すごく印象的ではありましたね。

 

ですので、五つ星評価としましては、手厳しいですが★★★(60点)の三つ星評価でも未だ甘いかと思われた作品でした。

 

●映画『悪と仮面のルール』予告編

 

 

 

●Uru『追憶のふたり』映画「悪と仮面のルール」Version

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『劇場版マジンガーZ/INFINITY』4DX2D上映(2018年) #ユナイテッド・シネマ大津

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1/14(日)に、Tジョイ京都まで、彼女と一緒に『悪と仮面のルール』を観に行った際に、『劇場版マジンガーZ/INFINITY』公開記念として、ちょうど人間の大きさくらいのマジンガーZの巨大フィギアが展示してあったので、その際に、パンフレットだけでも購入しておこうかと思ったのですが、公開2日目にして既にパンフレットも完売状態。

 

▲Tジョイ京都に展示されていたマジンガーZの大型フィギア

 

それならばと、滋賀県大津市のユナイテッド・シネマ大津では4DX2Dにて上映しているとの情報を得ていましたので、二日後の1/16(火)に、平日は旧大津PARCOだったテナントビルの工事の為に、オープン時間を短縮営業している、ユナイテッド・シネマ大津まで、自分1人で、14:30からのオープンで、15:00から上映開始される4DX2D上映の回を観に行って来ました。

 

案の定、劇場自体もガラガラ状態の上、4DX2D上映においては観客は私1人の貸し切り状態でしたので、特段に、緊張することもなく、ゆったりとした気分で鑑賞することが出来ました。

 

 

 

 

 

▲公開4日目でも未だ先着順入場者プレゼントを貰えました。

 

▲4DX上映用の先着順入場者プレゼントの特製ポストカードもGET!

 

「4DX上映でパイルダーオン!を疑似体感(18.1/16・4DX2D上映)」

ジャンル:アニメ/アクション

製作年/国:2018年/日本

配給:東映

公式サイト:http://www.mazinger-z.jp/

上映時間:95分

公開日:2018年1月13日(土)

監督:志水淳児

 

 

 

【解説】

永井豪が1972年に「週刊少年ジャンプ」で連載した漫画を原作に、巨大ロボットにパイロットが乗り込んで戦うという搭乗型巨大ロボットの元祖となったアニメ「マジンガーZ」を、約45年の時を経て劇場アニメ化。

 

72~74年に放送されたテレビアニメから10年後の世界を舞台に、主人公・兜甲児とマジンガーZの新たな戦いを描く。

 

かつてスーパーロボットのマジンガーZを操り、悪の科学者Dr.ヘル率いる地下帝国の野望から人類を救った兜甲児は、あれから10年がたち、いまは祖父や父のように科学者の道を歩み始めていた。

そんな折、富士山の地中深くに謎の巨大構造物と生命反応が確認され、時を同じくして機械獣やDr.ヘルが再び姿を現す。

声優は、兜甲児役に森久保祥太郎、弓さやか役に茅野愛衣、劇場版オリジナルキャラクターのリサ役に上坂すみれ。

また、テレビアニメ版で兜甲児と弓さやかを演じた石丸博也、松島みのりも出演。

主題歌もテレビアニメ版の水木一郎が再登板した。

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

▲マジンガーZ

 

この劇場版アニメを観ての率直な感想としましては、

原作者・永井豪先生の50周年の画集発刊記念の事業の一環としての映画化といった、かなりのオトナの事情が作用しているからかも知れないですが、マジンガーZよりも、格上のロボットのはずの後継機ロボのグレートマジンガーが早々と敵に捕縛されてしまい、それを助け出すのが旧式のロボのはずのマジンガーZという図式が、「ちょっとそれって反対じゃないのか?」と、先ずは疑問に思いました。

 

そして、そもそも<UFOロボ・グレンダイザー>をも含めた三世代のロボットを以てお話しに連続性・完結性があったはずが、このマジンガーZ・グレートマジンガーによる戦いが終結して、10年後の設定にしたお話しではあるはずが、何故だか、グレンダイザーの逸話は全くなかったことにされているのも大きな疑問点とも思われましたね。

 

▲グレートマジンガー

 

おそらくですが、<UFOロボ・グレンダイザー>については、欧州をはじめ海外各国では、既に爆発的な視聴率を記録するほどの人気アニメとして確立しているので、ここでマジンガーZとお話しを結びつけると逆にややこしくなるためなのか、若しくは海外展開における版権の兼ね合いなどであえて除外したのか解らないですが、全く存在自体を否定されていたのは悲しかったですね。

 

 

 

4DX2D上映に関して言えば、

確かに「パイルダーオン!」とばかりに、あたかも操縦席に居るかの様な感覚にしてくれるので、4DX料金を1.000円分追加して観た価値はあったかも知れないですが、ただそれだけでしたね。

 

 

この様な炎が燃えさかるシーンでも、実写版の映画の4DXの場合には、最新式の4DX設備を採用されておられるユナイテッド・シネマ大津などにおいてでは<熱風効果>というエフェクトがあり、熱い熱を持った風が首筋に噴射されるはずなのですが、そもそもこのアニメ映画の場合には、熱風効果関連のエフェクトは活かされていないのか、全く熱さについては感じる事がなかったので、イオンシネマ京都桂川の従来からの4DX設備でも同じだったのかもと思い、ちょっぴり残念でしたね。

 

▲Dr.ヘル

 

▲アシュラ男爵

 

▲ブロッケン伯爵

 

Dr.ヘルに、アシュラ男爵に、ブロッケン伯爵などお馴染みの悪役キャラが総出演していたのは嬉しかったですね。

 

▲マジンガーZの原動力の光子力を用いた武器:光子力ビーム

 

▲マジンガーZの決め技のひとつ:ブレストファイヤー

 

 

▲これもお馴染みの決め技:ロケットパンチ

 

 

でも、こんなミサイル弾の様な武器を装備していた記憶にないです!

 

 

 

 

今回は、マジンガーZがメインのお話しになっているので、主人公の兜甲児や弓さやかなどの活躍はめざましいかったですが、グレートマジンガーの剣鉄也や炎ジュンに至っては全くの良いところなしで、その点は扱いが可哀想過ぎましたね。

まだボスボロットの方がロボットとして活躍していたというのが、実に可哀想過ぎました。

 

▲兜甲児

 

▲弓さやか

 

▲弓博士

 

▲剣鉄也

 

▲炎ジュン

 

炎ジュンに至っては身重な妊婦でありながらも、夫である剣鉄也の載るグレートマジンガーを救うべく、ロボットのビューナスAを操縦しようとするくだりなどは、本来ならば泣けるシーンにしたかったのでしょうが、つい笑いそうになってしまいましたね。

 

 

全体的なお話しの流れ的には、

「新世紀エヴァンゲリオン」のヤシマ作戦や「サマー・ウォーズ」のOZとの戦いをモチーフにしている節も見受けられる展開で、かなり既視感もあったのですが、可もなく不可もなしの出来栄えに仕上げるとなると、あんな具合にあるのかなと言った感じでした。

もしも次回作があるとすれば、グレートマジンガーやUFOロボ・グレンダイザーも公平に扱って、マジンガーZともども満遍なく活躍するような劇場版アニメを作って欲しいと思いました。

 

 

私的な評価と致しましては、

マジンガーZにのみ焦点を当てたようなお話しになっていたので、マジンガーZが懐かしくてタマラない私達の様なリアルタイムでTVアニメ版を観ていた世代には、興行的には、あれでも良いのかも知れないですが、ただ懐かしむのみならず、お話し的にもグレートマジンガーやUFOロボ・グレンダイザーともども公平に扱って活躍させるもっと過去のマジンガーZの流れを大事にしたお話しの展開にして欲しかったです。

 

また、4DX2D上映についての感想としても、熱風効果関連のエフェクトが全く機能していなかった点が本当に勿体なかったですね。

ただパイルダーに乗り込んで実際にマジンガーZを操縦している気分を味わえた点は良かったですけれどね。

座席が適度に揺れたりしてくれたお蔭で、この日何故か睡魔が襲って来ていた中でも無事に観終えられましたからね。

 

以上から勘案しまして、五つ星評価では、懐かしくはありましたが、その思いを満たすのみで、作品的には今ひとつの★★★☆(70点)の出来栄えといった評価が相応しい作品と思いました次第です。

 

 

 

 

それと、いくら「ハレンチ学園」など元祖エッチな漫画家としても有名な永井豪先生原作のアニメだからって、これらの様な、無駄に変なサービスカットは要らないとも思いました(苦笑)。

 

 

※尚、多くの劇場で、『劇場版マジンガーZ/INFINITY』のパンフレットの完売が続く中、ユナイテッド・シネマ大津では未だ未だパンフレットの在庫がありましたよ~♪

 

それに致しましても、当時のドリフの影響だったのかなぁ?

アニキこと水木一郎さんが歌うマジンガーZの主題歌を、

「空にそびえる、黒鉄ヒロシ~♪」って歌う、変な替え歌が流行ったのが、今では懐かしいですね(^^)v

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲この描写が邦画『嘘を愛する女』のワンシーンにも見えるのは私だけ・・・。??

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『女神の見えざる手』(2016年) #出町座 #ジェシカ・チャスティン #ジョン・マッデン

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この作品を観られて本当に良かった!出町座さん。今回セカンド上映して下さって有り難うございました。

 

『劇場版マジンガーZ/INFINITY』を独りで観た日の週末の1/21(日)には、彼女と一緒に、イオンシネマ京都桂川まで『嘘を愛する女』と『パディントン2』をハシゴ鑑賞し、その後、1/23(火)の夜の最後の上映回に、彼女の仕事終わりに車で迎えに行く様に待ち合わせをして、出町座まで、この『女神の見えざる手』の鑑賞に出向いたので、鑑賞した作品をご紹介する順序としては前後しますが、是非とも出町座にて、セカンド上映中の期間内にブログ記事化させて、多くの皆さんにも、ご紹介したかったので、その点はご容赦願います。

 

 

●出町座(@demachiza):https://demachiza.com/

 

〒602-0823 

京都府京都市上京区今出川通西入上ル三芳町133

(出町枡形商店街内)

 

☎:075-203-9862 FAX:075-320-2526

 

 

出町座への2回目の訪問の際の鑑賞作品は、

事前の予備知識などは一切なかったのですが、親しくして頂いている同世代の女性の映画ブロガーのジョジーさんが、2017年映画ベスト10にこの『女神の見えざる手』を挙げてられました事や、出町座が1日2回上映されるほどに推してられる作品みたいだったのも決め手となり、今作品を鑑賞することにした次第です。

 

 

 

今週は、最強寒波の到来のため、月曜日から首都圏では積雪や40年振りに、最低気温を観測史上更新をするなど、そして更に、24日以降には、関西を含む西日本各地の平野部にも大雪が降るとの天気予報でしたので、急遽、大雪が到来する前にと、彼女と、前日に出町座に鑑賞に行く約束を取り付けました。

そして当日の夜は、急いで車で駆け付け、市営出町駐車場には19:44に到着。

どうにかcafé「出町座のソコ」の20時のラストオーダーには間に合うことが出来たのですが、人気メニューで美味しいと評判のキュウリ3種サンドイッチは材料切れみたいで、今回はピンクポテトサラダサンドイッチを作って貰い、珈琲とともに食させて頂きました。

 

café「出町座のソコ」の築地静香店長。今回のピンクポテサラサンドも美味しかったです。有り難うございました。

 

 

 

映画の上映時間が20:25~22:45でしたので、今回は、ちょうど程良い時間帯に間に合うように到着出来て良かったでした!

 

 

1/20(土)に、出町座オープン記念として来館されていた『この世界の片隅に』の片渕須直監督のサイン入りの「出町座のソコ」のお皿も飾ってあったので、記念にパシャ!!!

 

 

今回の鑑賞も、出町座さんのクラウドファンディングのリターン品である招待券を、私と彼女の分の2枚分使用させて貰って鑑賞。

 

 

今回も、前振りが随分と長くなりまして、申し訳ありません。

 

今回の『女神の見えざる手』の率直な感想ですが、

映画ブロガーのジョジーさんも2017年映画ベスト10に挙げてられたり、出町座さん自体が1日2回上映として推してられている作品だけあって、終盤には逆転の上に更なる逆転劇が用意されていて、非常に面白かったですね。

 

「信念を貫き、政治を影で動かす満身創痍の女神(18.1/23・字幕)」

ジャンル:人間ドラマ

原題:MISS SLOANE

製作年/国:2016年/フランス=アメリカ

配給:キノフィルムズ

公式サイト:http://miss-sloane.jp/

上映時間:132分

公開日:2017年10月20日(金)

監督:ジョン・マッデン

キャスト:

ジェシカ・チャスティン、マーク・ストロング、サム・ウォーターストン、アリソン・ピル、ググ・バサ=ロー、ジョン・リスゴー、マイケル・スタールバーグ 

 

 

【解説】

「恋におちたシェイクスピア」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」のジョン・マッデン監督が「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャスティンを主演に迎え、天才的な戦略を駆使して政治を影で動かすロビイストの知られざる実態に迫った社会派サスペンス。

大手ロビー会社の花形ロビイストとして活躍してきたエリザベス・スローンは、銃の所持を支持する仕事を断り、銃規制派の小さな会社に移籍する。

卓越したアイデアと大胆な決断力で難局を乗り越え、勝利を目前にした矢先、彼女の赤裸々なプライベートが露呈してしまう。

さらに、予想外の事件によって事態はますます悪化していく。

共演に「キングスマン」のマーク・ストロング、「インターステラー」のジョン・リスゴー。

 

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

先ず、今作の原題のMISS SLOANE(ミス・スローン)では、よく解らないところを、「女神」は「勝利の女神」。「見えざる手」は「最後の切り札」的に題した邦題みたいですが、観終えてみるとなかなか良い邦題だと思いました。

 

 

ロビー活動を行う人を<ロビイスト>と呼びますが、大統領選挙。或いは、W杯招致やオリンピック招致などでロビイストの活動自体も、日本のマスコミでも報じられる事も多くなってきましたが、その昔の学生時代に大学で大統領選挙で暗躍するロビイストの存在自体は聴いてはいましたが、その職業たる肝心の仕事ぶりなどは、お恥ずかしながら全く知らなかったのですが、今回の映画で描かれるのは、敵の一歩先を読み、ごく単純な構図を描いて行動してるかの様な素振りを見せながらも、実は相手の裏をかいて誘い込んだりするなど、実に巧妙に戦略を練り、相手を混乱させてしまう。

そうして与えられた任務を達成するといった、政治家の心や世論を動かし、マスコミを操作し、世界を変える決断に深く関与するプロフェッショナル集団がロビイストとして描写されていました。

 

 

で、今回の映画では、そのロビイストの<女神>に君臨するのが、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャスティン)。真っ赤なルージュを引き、一流ブランドとハイヒールで武装した彼女が天才的な閃きと無敵の決断力で巨大な勢力を敵に回す。

大手ロビー会社で辣腕をふるい、一切の妥協を許さず、敵はもちろん、味方をも畏れさせるエリザベス。睡眠障害で薬物依存症になるほど1日16時間以上も寸暇も惜しんで策略を巡らせ、プライベートの時間をもたず、恋愛はエスコートサービス(男娼)で代用。あたかも全てをロビー活動に捧げた様な役どころ。

 

そんな彼女に舞い込んだのは、議会で新たな銃規制法案に対して銃擁護派団体から、その法案を廃案に持ち込んで欲しいというもの。

しかし、信念に反する仕事は出来ないため、部下を引き連れて、銃規制派のシュミット(マーク・ストロング)の小さなロビー会社へ移籍。

そこで、議会で銃規制法案を通すべく賛成票をかき集めるというのが今回のミッション。

 

 

この映画では、その前段部分に、インドネシア政府からのパーム油のヌテラ税とか云々という付加価値税に関する案件があるのですが、この内容が曲者で何を言いたいのかサッパリよく解らない。ましては早口の台詞と来る。

ですので、字幕を一所懸命に追っていると、どうやら付加価値税の抜け穴についての説明をしているようでした。

しかしながら、それ自体の把握そのものが問題ではなくて、製作者サイドの意図としては、ロビイストの仕事の組み立て方を簡単に見せているといった具合でしたね。

 

この前段部分の息つく間のない台詞や激しい場面転換の応酬。

私達、母国語が英語ではない日本人からすれば、字幕を追うのが精一杯なのですが、ここで睡魔が襲ってくる観客も居るのか、途中脱落して、実際、大きなイビキをかいている観客もいました。

こんなにも巡るましい台詞や場面転換の連続には、ひとつにはエリザベス・スローン自体の多忙さや慌ただしさを表現していると言うのもあるのでしょうが、こういった筋書きを追うのがやっとと言う様な脚本仕立てが近年流行ってるからかも知れないですね。

 

 

とは言え、本題である案件の新たな銃規制法案の賛成票をかき集めるといった中盤以降は、ハラハラドキドキする展開が待っており、実に面白かったです。

 

ネタバレになるといけないので、あまり詳しい内容は書けませんが、まさに<毒をもって毒を制す>って感もある独自の諜報活動をも駆使した秘策にも驚かされました。

ちょっと有り得ない様な展開ではありましたが、社会派サスペンスであり人間ドラマというジャンルに属する映画ながらも、見事にエンタメさせてくれていました。

 

また、この映画の字幕翻訳者の松浦美奈さんは、あの会話劇の応酬の映画『ソーシャル・ネットワーク』なども字幕翻訳されただけあって、今回の作品でも上手い字幕翻訳でしたね。

 

 

007のジェームズ・ボンドも顔負けの諜報活動は「ホンマかいな?」と、やや眉唾ものでしたし、ハリウッド映画の宿命というか、エンタメ要素の縛りがあるからなのか驚きの展開でしたが、緊張感あふれる公聴会の様子などの描写はお見事でした。

ロビイストという存在。またその駆け引きの面白さ自体をエンタメに昇華させているし、銃規制をめぐる頭脳戦には脚本の巧みさ。そしてジェシカ・チャスティンの演技力の凄さに舌を巻きました。

 

辣腕ロビイストの「ミス・スローン」シリーズとして、是非とも続編を希望したいですね。

 

 

ただ、ここで米国の法制度がイマイチ分かっていないとお話しが理解出来ない部分もあるかと思いますので以下に5点について説明させて頂きます。

 

●公聴会とは、議会で特定の問題について、意見を聞く場です。

裁判所ではないので、陪審員もなく、有罪か無罪かを争う場ではありません。

●公聴会は、宣誓して、証言をし、嘘を言えば、偽証罪で懲役5年となります。

※この点は日本における証人喚問制度と似ていますね。

 

●米国合衆国憲法修正第5条は、

何人も自己に不利益な証人となることを強制されることはなく、何人も同一のことについて重ねて処分されることはないと定めています。

 

・・・即ち、証人は自己に不利になることを言わなくても良いし、最後に勝利すれば覆ることはないということです。

 

●米国合衆国憲法修正第2条は、

国民が自己の武器を保有し携帯する権利は侵害されてはならないと定めています。

 

・・・即ち、国民は、過去の犯罪歴や精神病歴などを調査されずに、自由に銃を購入することが出来るということです。

 

●米国合衆国憲法修正第4条は、

不合理な捜索および押収に対し、身体、家屋、書類および所有物の安全を保障されると定めています。

 

・・・即ち、捜査令状のない証拠は認められないということです。

 

この5点を分かっていれば、更にこの映画に対する理解が深まるかと思います。

 

 

私的な評価と致しましては、

前段部分が字幕を追うのがやっとといった小難しい専門用語の台詞の応酬に、激しい場面転換のために、正直、意味合いが分からず面白味も感じなかったのですが、中盤以降の銃規制法案についての賛成票獲得に奔走するくだりからは、まさに手に汗握る攻防で、すごく面白くなり、ロビイストという存在。またその駆け引きの面白さ自体をエンタメに見事に昇華させているし、銃規制をめぐる頭脳戦には脚本の巧みさ。そしてジェシカ・チャスティンの演技力の凄さに舌を巻きました。

 

私事ですが、ジェシカ・チャスティンという女優さんは、黒人差別問題についての映画『ヘルプ』の際に初めて意識し始めて以降、気になっている存在ですが、今回の作品では、一見すると、イヤな女性の役どころながら難役を上手く演じていました。

 

以上を勘案しましても、五つ星評価としましては★★★★☆(90点)の、ほぼ満点に近いくらいの四つ星半の評価が相応しい作品と思った次第です。

 

※昨年の2017年のうちに劇場鑑賞していたら間違いなく、私の場合にも、私的なランキングのベスト20の中には入っていたくらいの出来栄えでしたので、私からもオススメ作品です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲出町座さん。今回は2階のシアターでした。最後尾E列は、事前にご指摘があった通り、両足が宙ぶらりんになってしまっていたので、安全上から、木箱で足場を作って対応しました。

 

※それと、<出町座>さんの公式サイトへの記載とは別に、映画上映開始前のオープニングロールに、クラウドファンディングで立ち上げに際して支援した人達の名前が列挙されている中に、今度はちゃんと自分の名前を見付けることが出来て、思わず感動!

今後は、<出町座>さんで、映画の予告編がある際には、常に自分の名前も観ることが出来るとなると、かなり嬉しいですね(^^)v

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『嘘を愛する女』(2018年) #イオンシネマ京都桂川 #嘘愛CP #長澤まさみ #高橋一生

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1/16(火)に『劇場版マジンガーZ/INFINITY』を独りで観に行った次の週末の1/21(日)に、生憎と、イオンシネマ系列では『パディントン2』の字幕版の上映については、イオンシネマ京都桂川においてのみにて、午後6時40分以降の2回しか上映がなかったので、それに併せて、今回も、彼女と一緒に、その日のお昼過ぎから『嘘を愛する女』と『パディントン2』(字幕版)のハシゴ鑑賞に出向きました。

そこで、先ずは1本目の『嘘を愛する女』について紹介させて頂きます。

 

 

「美女とオヤジのまさかの凸凹バディのロードムービー!?(18.1/21)」

ジャンル:ラブ・ストーリー

製作年/国:2018年/日本

配給;東宝

公式サイト:http://usoai.jp/

上映時間:118分

監督:中江和仁

キャスト:

長澤まさみ、高橋一生、DAIGO、川栄李奈、野波麻帆、初音映莉子、嶋田久作、奥貫薫、津嘉山正種、黒木瞳、吉田鋼太郎

 

 

【解説】

長澤まさみと高橋一生が共演し、恋人の大きな嘘に翻弄されるキャリアウーマンの運命を描いたラブサスペンス。

 

オリジナルの優れた映画企画を募集する「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM」の第1回でグランプリを受賞した企画を映画化した。

 

食品メーカーに勤める川原由加利は、研究医である優しい恋人・小出桔平と同棲5年目を迎え、公私ともに充実した日々を送っていた。

そんなある日、自宅で桔平の帰りを待つ由加利のもとに、警察が訪ねてくる。桔平がくも膜下出血で意識を失っているところを発見されたのだが、桔平の所持していた運転免許証や医師免許証はすべて偽造されたもので、職業も名前も全てが嘘であると判明したのだ。

ショックを受けた由加利は桔平の正体を突き止めるべく、私立探偵の海原匠と彼の助手キムに調査を依頼。

やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ未完成の小説が見つかる。その内容をもとに、いまだ病院で眠り続ける桔平の秘密を探るため瀬戸内海へと向かう由加利だったが……。

 

「ゆうちょ銀行」など数々の人気CMを手がけた中江和仁が長編映画初メガホンをとった。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

誰もが、このポスターを見れば、今をときめく高橋一生さん演じる小出桔平と長澤まさみさん演じる川原由加利によるラブ・ストーリーが主軸と思いきや、その実、お話しの大半は、川原由加利(長澤まさみさん)と、私立探偵の海原匠(吉田鋼太郎さん)との美女とオヤジの凸凹バディによるロードムービーだったので、当初の純愛映画的な予想を裏切られた御方々も多かったのではないかと思います。

 

 

ですので、高橋一生さんの出演場面が思っていたほど多くないので、彼のファンの人達にとっては申し訳ないのですが、期待外れもこの上なく、多少欲求不満が募る映画かも知れないですが、デビュー当時からの長澤まさみさんのファンの私からすれば、吉田鋼太郎さん扮する私立探偵の海原匠との凸凹バディによる風光明媚な瀬戸内海の街並みを巡りながらのロードムービーはコメディ風味もトッピングされていて、これはこれで、かなり面白かったでした。

 

 

 

 

▲中江和仁(Kazuhito Nakae ) 1981年4月23日生まれ 滋賀県出身

 

映画のお話し自体は、「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2015」(以下、TCP2015と表す。)というTSUTAYA主催の第1回グランプリ受賞作品の企画・脚本の映画化と言うことでしたが、CM界の俊英、中江和仁さん(滋賀県出身)が、「夫は誰だった?」というセンセーショナルな見出しの実在の新聞記事に着想を得てオリジナル脚本を執筆した企画らしく、それまで私は、てっきり、このお話しは、あくまでも今の時代にありがちな、表層的な現代社会の在り方を投影したフィクションだと思っていたのですが、鑑賞後に、この作品のパンフレットを読んで、この様な、長年暮らしてきた伴侶が、実は、正体不明の「名無しの権兵衛さん」的な事件が現実にあったという事を知って、更にショックを受けた次第でした。

 

 

また、パンフレットの中江和仁監督のインタビュー記事を拝読しますと、そもそも脚本そして自らメガホンを執った中江和仁さんがこの記事の存在を知ったのは、元は、辻仁成さんのエッセイにこの新聞記事を元ネタにしたエピソードがあったらしく、高校時代に読んで気に留めてられて、武蔵野美術大学造形学部映像学科在学中に、国会図書館で、この新聞記事を見付けて以降、将来、映画化出来ればと、脚本も10年間で、100稿くらいも書き留められ温めておられていたらしいです。

 

 

ただ、この記事の事件に登場する男性の人物像も50歳代であり、また事件があった時代が今から約25年以上も前に遡ると言うことからだった為なのか?

この映画の中でも、自称・小出桔平役の高橋一生さんが蒐集するフィギアが何故だか1970年代のアニメ「マジンガーZ」の超合金という点も、年齢的にちょっと世代が合わない設定だったのが、謎だったのですが、それでその点も合点も行くかと思いました。

 

▲参考までに、『劇場版マジンガーZ/INFINITY』の一場面より引用。

 

また、当初は、40歳代手前のキャリアウーマンを想定されていたらしいのですが、30歳代の長澤まさみさんの起用により、キャリアウーマンという設定は残しつつも、大幅にその性格付けなどを改めて練り直したとのこと。

 

 

吉田鋼太郎さん扮する私立探偵の海原匠については、韓国映画『殺人の追憶』のソン・ガンホをイメージしたい旨を伝え、仕事も真面目にするけれど、ユーモアもあって愛されるキャラクターにしたいと。緊張感が高まるシーンではそれを和らげるような演出を目指していたそうです。

 

 

高橋一生さんが演じる小出桔平役は台詞がなくても表情や雰囲気だけで、何かを背負っている影のある人に見せたかったらしく、そう言う意味合いでは、高橋一生さんの持つ雰囲気は、桔平にハマったと思うとのこと。

 

 

黒木瞳さんの演じる瀬戸内海の小さな飲み屋の女将マサコ役については、中江和仁監督がグランプリを受賞した、TCP2015の審査員として参加して最終選考に残った10本の作品を審査していた経緯もあり、授賞式の際に監督デビュー祝いの意味合いも込めて、黒木瞳さん自ら「マサコ役は私がやるからね!」とお声掛けして下さったらしく、映画の中では短いシーンながら印象的な存在感を示されていました。

 

 

私個人的に印象に残ったキャストは、やはり探偵事務所の海原の助手であり、キムこと木村役のDAIGOさんですね。

珍しいロン毛姿のPCオタクのハッカー役が実に似合っていましたね。

 

 

心葉役の川栄李奈さんは、ゴスロリファッションで身を包み、アルバイト先の常連客の桔平を一途に愛する余りにストーカー紛いの行動を繰り返すという役どころでしたが、なかなか上手い演技でしたね。

 

 

お話し的には、川原由加利(長澤まさみさん)が自分たちの過ごして来た時間が<本物>だったのかを確かめるための模索の旅の物語とも言える作品でしたね。

 

 

あの3.11の東日本大震災の影響で、列車が動かなくなってしまった際に、気分が悪くなったのを親切に介抱してくれた人。

その人・小出桔平(高橋一生さん)との再会を遂げられて一緒に住むようになった、一流企業に勤める完璧なキャリアウーマンの川原由加利(長澤まさみさん)と過ごして来た日々までは、嘘じゃなかったのかどうかを確認するための旅。

 

 

ですから、単に、その男の<過去>を探しに行くだけの旅ではなかったとは思いましたね。

一見すると、単なる凸凹バディによるロードムービーの趣が強い映画ではありましたけれどね。

 

 

 

それと、エンディング曲(主題歌)は、決して悪くはないのですが、この作品で採用している、松たか子さんの歌う主題歌の様な緩やかなメロディラインの曲調の歌よりも、もっと刺激的な、back numberなどに主題歌担当して貰った方が、よりしっとりと感動的なエンディングが迎えられたかとも思われて、少々残念でしたね。

 

 

私的な感想と致しましては、

映画のポスターなどから、当初に予想していたよりも、高橋一生さんのファンの御方々におかれましては、登場場面が予想外に少なくて非常にガッカリされてしまうかも知れないですが、デビュー当時からの長澤まさみさんのファンの私にとりましては、そういった純愛映画も良いのですが、今回の様な、オジサン俳優の吉田鋼太郎さんとのロードムービー的な側面を持つ作品というのも、それなりになかなか面白かったですね。

 

 

小出桔平の過去を調べて行く過程そのものもその展開に翻弄されながらも、意外性に富んでいたりとなかなか面白かったですし、その抱えていた過去も凄く意外で怖くもさえあったりと、色々考えさせられた映画でした。

但しながら、映画を観終えて、パンフレットを読むまでは、今の時代を反映した、表層的な現代社会の在り方を投影した、あくまでもフィクションの上でのお話しと思っていましたので、こんな何年間もの間、恋人の素性を全く知らなかっただなんて、なかなか実際には有り得ないと思っていましたが、実際にあった事件のエピソードをモチーフにしていると知り、二重にショックを受けた次第でした。

 

 

エンディングに流れる松たか子さんの「つなぐもの」という主題歌の調べが、やや優しすぎて、私には琴線に響いて来なかったので、もっと刺激的な、例えばback numberなどの歌う曲の様な曲調の歌を提供してくれたら、私も、涙もホロリと流れたかも知れないと思うと、ちょっと勿体ない気もしましたね。

あくまでも個人的な趣向の問題かも知れないですが(汗)。

 

以上を、勘案致しますと、五つ星評価としましては、好評価の作品ながらも、★★★★(80点)に留まる四つ星評価が相応しい作品かと思いました次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『ゴッホ~最期の手紙~』(2017年) #イオンシネマ京都桂川 #フィンセント・ファン・ゴッホ

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当初は、先ずは、『嘘を愛する女』とハシゴ鑑賞してきた『パディントン2』の字幕版のブログ記事をまとめようかと思って予定していました。

 

また、先日の週末の1/28(日)には、3度目の出町座への来館として、ジェシカ・チャスティン主演の『ユダヤ人を救った動物園』を鑑賞。その後、滋賀県草津市まで移動して、新参者シリーズ・最終章の映画『祈りの幕が下りる時』をイオンシネマ草津まで鑑賞にも赴いているのですが、今回は、1月に劇場鑑賞済みのこれらの3作品を差し置いての紹介記事にはなりますが、どうかご容赦願います。

 

ただ、この度は、本年度の第90回アカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされ、イオンシネマ京都桂川では昨年の11月の上映を一旦終えた後、この1月から再上映されている『ゴッホ~最期の手紙~』(吹替版)が、上映期間延長の末、2/2(金)に上映終了を迎えるのに際して、出来ますれば、映画ファン・絵画ファンの御方々で、未見の方々が、もしもこのブログ記事を目にされた事を通して、劇場鑑賞にと足を運んで下さればと、少しでもお役に立てればと思い立ち、ちょうど未だ、昨年の11/14(火)の1回目鑑賞の際の感想も私はブログ記事化していなかったので、今回は、この機会に、この作品をブログ記事として採り上げることにしました。

 

※この『ゴッホ~最期の手紙~』は、イオンシネマ京都桂川においては、今週末の明日の2/2(金)で再上映も終了を迎えますので、ご興味が惹かれた御方々は、是非とも劇場まで足をお運び下さいませ。

 

 

 

「動く油絵による体感型アート(17.11/14&18.1/31・共に吹替版)」

ジャンル:アニメ/サスペンス

原題:LOVING VINCENT

製作年/国:2017年/イギリス=ポーランド

配給:パルコ

公式サイト:http://www.gogh-movie.jp/

上映時間:96分

公開日:2017年11月3日(金)

監督:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン

キャスト:

ダグラス・ブース、ジェローム・フリン、ロベルト・グラチーク、ヘレン・マックロリー、クリス・オダウド、シアーシャ・ローナン、ジョン・セッションズ、エレノア・トムリンソン、エイダン・ターナー

 

 

【解説】

「ひまわり」「夜のカフェテラス」などで知られる印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホの死の謎を、全編油絵風のアニメーションで描き、解き明かしていく異色のサスペンスドラマ。

郵便配達人ジョゼフ・ルーランの息子アルマンは、父の友人で自殺した画家のゴッホが弟テオに宛てた手紙を託される。

テオに手紙を渡すためパリへと向かったアルマンは、その過程でなぜゴッホは自殺したのか、その疑問が募っていくが……。

俳優が演じた実写映像をもとに約6万5000枚におよぶ油絵が描かれ、アニメーション化するという手法で作られた。

出演した俳優はダグラス・ブース、ヘレン・マックロリー、シアーシャ・ローナン、エイダン・ターナーら。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

率直な感想と致しましては、

賛否両論に様々な意見が散見しているようですが、私は、今回のゴッホタッチのペインティングアニメといった<動く油絵>については、正直なところ、1回目の鑑賞時には、映画のお話しに集中し辛い印象は受けていたものの、専ら、肯定派で、好意的に鑑賞していました。

(でないと2回に亘っても鑑賞していないです・苦笑)。

 

ですので、2回目の鑑賞時には、映画に集中し辛いといった印象も、かなり浅くなっていましたね。

 

▲話題作にも拘わらず、昨年11月のイオンシネマ京都桂川のみでの京都市内単館上映での1回目の鑑賞時には、小さなスクリーンで、父親と一緒に、満席状態で鑑賞したのを想い出します。

 

 

▲昨日の2回目の鑑賞時には、ちょっとひとまわり大きめのスクリーンで収容人数も多めでしたね。

 

 

アニメの内容的には、

多少マニアックというか、少なからずゴッホの描いた肖像画などの人物などについて見たことがあったり、知っていたりするなどの基礎知識があると面白いのですが、全く知らないと、物語り的には、前半はやや退屈するかも知れないですね。

 

 

お話しの流れ的には、

郵便配達人ジョセフ・ルーランの息子アルマン・ルーランは、パリへ届ける一通の手紙を託される。

それは父の友人で自殺したとされる画家フィンセント・ファン・ゴッホが、彼の弟テオに宛てたものだった。

テオの消息を追う内に既に死んでいる事を知るが、それと同時にゴッホの死の真相は何だったのかという疑問が募る中、この手紙を本当に受け取るべき人物は何処にいるのだろうか?と奔走するアルマン・ルーランの姿を通して、その死の真相を探るというもの。

 

 

ですので、自殺とされるゴッホの謎の死の真相にまつわるキーパーソンが重点となって以降は、尻上がりにサスペンスフルな展開を見せて、なかなか面白かったですね。

 

 

ただ、この作品はVFX技法のひとつである、実写映像を元にアニメーション化させる技法。所謂、<ロトスコープ>でありながらも、総勢125名の画家により、6万2450枚もの油絵が使用されているとのことです。

一概に、セル画アニメとは比較出来ないものの、これは初期の宮崎駿監督作品を例に挙げれば、セル画アニメの作画枚数よりも多い。

CGアニメ全盛のこの時代に、なんと、あまりにも大胆不敵な作風ではないかと思わず唸ってしまうほどでしたね。

 

 

ただ、ゴッホタッチの<動く油絵>に対して、絵に目が慣れていなかったせいか、脚本やカット割りなどは、一般の実写サスペンスと同じ手法で作られているみたいでしたので、どうも独特なゴッホのタッチのアニメである<動く油絵>の映像にばかり見入ってしまって、1回目の鑑賞の際には、どうも肝心のストーリーや台詞がなかなか頭に入ってこなかった印象がありました。

 

 

ですので、「いっそこの脚本や演出でやるのだったらば、事前に撮影した実写映像をそのまま上映した方が良かったのかも?」或いは、「<動く油絵>といったアニメの良さを活かしたいのだったらば、あえて<ロトスコープ>といった手法は採らずに、もっとシンプルな脚本にして欲しかったかも?」といった風に、今作が、先述した通り、かなりの労作であるのは重々承知していながらも、あまりにも欲張り過ぎて、結果、虻蜂取らずになっていないかといった疑問が沸いてきたのも事実。

 

 

そんな中、映画の表現手法的には、色鮮やかなゴッホの死後の現在とは対照的に、過去の回想シーンではあえてモノクロで描く事により、過去の出来事なのか現在なのかを分かり易く観易いように一応の工夫はされていますので、おそらく全くお話しの意味が分からないという事がないだろう点は良かったかとは思いました。

 

 

また、私が観たのは、字幕版ではなく、日本語吹替版であった事も起因するのか、2回目鑑賞時には、映画の全体像を当初から分かって観ているので、映画の画面に集中し辛い印象もなく鑑賞することが出来ました。

 

 

ゴッホは生前たった1枚しか売り物にならなかったにも拘わらず、800枚以上もの絵を精力的に描いていた。

その事実を改めてこの映画で知るにつれ、結果が得られていないにも拘わらず好きなことを続けて行くということは、「下手の横好き」とは言うものの、並大抵のことではないはずなのに、そこまでして絵を描き続けたゴッホの絵に対する想いは本当に素晴らしいと感銘を受けました。

 

今では、ゴッホのことを知らない人が世の中にはいないほどの有名な画家ですが、当然ながら死後に有名になったゴッホはその事実を知らない。

 

そんな彼が、亡くなってから努力が実ったことを可哀想とも思っていましたが、ゴッホの生き方をみるとそんな事もないとも思われてきました。

 

私もゴッホの様に努力をし続けることにより、何かしらの夢を叶えてみたいと思えて来ました。

 

 

映画本編の冒頭が「星月夜」をモチーフにした景色で始まり、ローヌ川の星月夜(星降る夜)の景色で、終わるところも、実に、心憎い演出でしたね。

 

 

エンディングロールも凝っていて、<ロトスコープ>の際の実写映像で演じたキャストと肖像画モデルの容姿の対比や、ゴッホの死後における彼ら彼女らの登場人物達の動向について、図録風に説明してくれていて面白かったです。

 

 

私的な評価と致しましては、

1回目鑑賞時には、たしかにこの作品を製作するに要した労力は凄いとは思いましたが、ゴッホタッチのペインティングアニメにするべく、<ロトスコープ>で製作したことによる、ゴッホタッチの弱みと強みがお互いに干渉しあって、静止画であると観ていられるのが、あの絵のタッチが<動く油絵>になると逆に映画に集中し辛いといった、欲張り過ぎによる虻蜂取らずの弊害も持ち合わせている作品だとも感じました。

 

しかしながら、2回目鑑賞の際には、お話しの全体像を事前に把握してあるせいか、サスペンスフルなゴッホの謎の死の真相を追う脚本に素直に見入って行く事が出来ましたので、その点がやや当初よりも加点すべき点かもと思いました。

従いまして、以上を勘案しまして、当初は五つ星評価的には四つ星評価くらいの評価でしたが、2回目鑑賞に際して、やや加点しまして、満点には及ばないものの、★★★★☆(90点)の四つ星半くらいの評価が相応しい作品かと思いました。

 

 

あと、1回目の鑑賞時には、公開直後に完売状態だった本作品のパンフレットですが、これも予想通りでしたが、やや小さめの図録風の体裁のパンフレットで、これが実に面白いので、是非お買い求めされる事をオススメ致します。

 

映画の場面を絵画のように掲示しており、この表現手法の方がやはり惹かれますね。

登場人物の相関図も、ゴッホが描いた各肖像画の人々との繋がりを示しており興味深かったですね。

 

そもそも絵画や芸術を見る行為は、作品を見ていながら、実はそれを媒介として、何故に作者はこの様に製作したのかと、自分の想像力と向き合うことであるとも換言出来ますが、むしろ映画本編よりもパンフレットの方が、よほど自分自身の想像力を喚起させてくれるかとも思われます。

 

 

●映画『ゴッホ~最期の手紙~』予告編

 

 

 

●「ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~」京都国立近代美術館

 

 

そして、また、この映画を観終えた後、1/20(土)~3/4(日)までの期間、京都国立近代美術館で開催中の「ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~」を観覧すれば、更にゴッホについて探究出来て、楽しめる事かと思いました。

私も、早く「ゴッホ展」の観覧に行きたいと思っている次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『パディントン2』(2017年) #イオンシネマ京都桂川 #パディントン2 #字幕版

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暫くブログ更新をサボっていましたが、本日に、ようやく再開。

 

日本公開3日目の1/21(日)に、イオンシネマ京都桂川にて、彼女と一緒に、邦画『嘘を愛する女』と共にハシゴ鑑賞しました『パディントン2』(字幕版)について作品紹介をしたいと思います。

 

▲iPhone用の壁紙にちょうど良い寸法ですので自由にお遣い下さい。

 

 

「帰ってきた!モフモフ紳士クマ(18.1/21・2D字幕版)」

ジャンル:ファンタジー

原題:PADDINGTON 2

製作年/国:2017年/イギリス=フランス

配給:キノフィルムズ

公式サイト:http://paddington-movie.jp/

上映時間:104分

公開日:2018年1月19日(金)

監督:ポール・キング

キャスト:

ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ヒュー・グラント、ブレンダン・グリーソン、マデリン・ハリス、サミュエル・ジョスリン、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベンド、ピーター・カパルディ、ベン・ウィショー(声の出演)

 

 

【解説】

1958年に第1作が出版されて以降、世界40カ国以上で翻訳され、3500万部以上を売り上げるイギリスの児童文学「パディントン」シリーズの実写映画化第2弾。ペルーのジャングルの奥地からはるばるイギリスのロンドンへやってきた、真っ赤な帽子をかぶった小さな熊のパディントン。親切なブラウンさん一家とウィンザーガーデンで幸せに暮らし、今ではコミュニティの人気者だ。大好きなルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントを探していたパディントンは、グルーバーさんの骨董品屋でロンドンの街並みを再現した飛び出す絵本を見つけ、絵本を買うためパディントンは窓ふきなど人生初めてのアルバイトに精を出していた。しかしある日、その絵本が何者かに盗まれてしまう事件が発生し、警察の手違いでパディントンが逮捕されてしまい……。イギリスの人気俳優ヒュー・グラントが、新たな敵役フェリックス・ブキャナンを演じる。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

モフモフで紳士すぎるクマ<パディントン>の活躍を描く、マイケル・ボンド著の世界的ロングセラー児童文学の実写映画化の第2弾。

 

 

生憎と、私の方ですが、前作を劇場で観逃してしまっていたので、レンタルDVDで予習しようと思っていたのですが、あろうことか、DVDの映画再生開始序盤から寝落ちしてしまった為、内容を全く把握せぬまま、不安ながらも、いきなり続編の本作の鑑賞に臨むこととなりました次第でした。

 

しかしながら、この続編の冒頭から、パディントンを育ててくれた、恩人のクマのルーシーおばさんと幼いパディントンの出逢いのシーンを壮大なるスケールで見せ、始まってくれましたので、なんとなくですが、初見でありながらも、続編からでも、このパディントンの世界観にすんなりと入って行く事も出来たので良かったでした。

 

 

そのクマのルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントに渡したかった<飛び出す絵本>を巡って争奪戦を繰り広げられるというのが本作の大筋の流れのお話。

 

 

パディントンは、その飛び出す絵本を買うために生まれて初めてアルバイトを始めるのですが、大失敗の連続で笑わせてくれます。

理髪店での顧客に対する大失態も単なるただのお笑いで済ますことなく、その後の展開にも一役買うことになるといったシナリオが秀逸。

 

 

更には、同じモフモフのお下劣クマのアメリカのテッドを皮肉っていたのか、ガラス拭きの掃除のアルバイトに精を出す姿も面白く映っていました。

 

 

また、ブラウン家の面々のただの家族紹介だと思われたシーンの数々も、終盤の展開に活かされたり、はたまた、何気なく登場するリンゴ飴などに至っても、後の伏線となり活かされて回収されていく気持ち良い脚本仕立てが実に堪らなかったですね。

 

 

 

 

私は寝落ちしていたので、前作の流れは、一体どういった内容なのかは知らないですが、今作では、あの<ロマコメの帝王>との異名も持つ(?)イギリスの人気俳優のヒュー・グラントが、結果的にパディントンに罪を着せ、刑務所送りにしてしまうといった、フェニックス・ブキャナンという役どころで、怪盗ルパンさながらに様々な扮装を見せる<落ちぶれた役者>という設定もあり、どうにも憎めなく、心底に悪人っぽく感じられないのはご愛敬。

 

 

また、そもそも主人公たるパディントンが、人の良いところしか見ないという性格だからか、刑務所の囚人たちでさえ、みんな良い人ばかりに映ってしまう。

 

 

 

その囚人たちが恐れる、ブレンダン・グリーソン演じるナックルズでさえも、パディントンのマーマレードサンドウィッチにかかればもうイチコロ。

天然のモフモフ紳士クマのパディントンと、素直になれずいたナックルズが、信頼関係を築いていく姿も、実に微笑ましかったですね。

 

 

ただ、そんな中、唯一、ブラウン一家が暮らすウィンザーガーデンで自警団(団とは言いつつ、その実、独りぼっち)を気取っている老人カリー(ピーター・カバルディ)のみが、クマのパディントンを厄介者とみなし排除しようとしているが、現代社会における移民排斥運動や多文化への無理解・不寛容さに対するアンチテーゼ的な人物として登場させているのもファミリー向け映画としては中々の好テキストとも感じ入りましたね。

 

 

パディントンの無実の罪を晴らすべく、ブラウン家の中心のブラウン夫妻のみならず、ジュディ(マデリン・ハリス)にジョナサン(サミュエル・ジョスリン)、更には同居人の親戚のバードさん(ジュリー・ウォルターズ)に至るまでの一家総出で、真犯人捜しに、ひと肌脱いで行動を起こすブラウン家の面々の気持ちの温かさたるや、心底にパディントンを家族の一員との思いのあらわれだったのでしょうね。

 

 

ただ、ついつい思い込みが激しいブラウン夫人(サリー・ホーキンス)と、いつも否定的な意見が先に出て来るブラウンさん(ヒュー・ボネヴィル)の遣り取りが漫才のボケとツッコミの様で笑えてもきました。

 

 

終盤の列車による大追跡にはハラハラドキドキでした。ユーモラスな展開にニヤニヤしていると、やがて訪れる爽快なる感動が待ってくれています。人を信じることの素晴らしさを説き描いた本作は、子供から大人までの観客を幸せの渦に包み込んでくれるに違いないでしょう。

 

エンドクレジットもオマケ映像満載で楽しめて、実にサービス精神旺盛で嬉しい限りでした。

 

私的な評価と致しましては、

やや子供向け映画的な側面もありますが、その割りには、かなり秀逸な脚本仕立てで、様々に散らばせておいた伏線の回収をキッチリ行うなど唸ってしまうほどの出来栄えで、子供のみならず、大人も楽しめ映画に仕上がっていましたので、五つ星評価的にも、ほぼ満点の四つ星半評価の★★★★☆(90点)の評価も相応しい作品と思いました。

 

●映画『パディントン2』予告篇

 

 

私も、これを機会に、前作よりも今作の続編の方が、かなり出来栄えが良いとの巷間でも、もっぱらの評判の様ですが、出来ますれば、今度は寝落ちしないようにレンタルDVDででも、再度、前作の鑑賞にチャレンジしたいと思っています。

 

 

※尚、今回の鑑賞に際して、お子様の観客が少ないであろう、字幕版での鑑賞をしようと思い、あえて、私達は、夜からの字幕版の上映回をとスケジュールを組んだのでした。

ですが、それにも拘わらず、同じ時間帯には、夜からの吹替版の上映回もあるはずなのに、親御さんのエゴなのか、小学校低学年か幼稚園児くらいの二人の児童を連れた親子連れが、その字幕版の上映回に観に連れて来て、案の定、しばらくすると映画の字幕の意味が解らないのか愚図り出して来て、館内が、うるさくて、いい迷惑で困り果てた次第でした。

そもそも子供達にこの映画を観せたいのか、自分自身のみが観たいのかとを重々よく自問自答をして、そういった観客は吹替版の上映回を選択して欲しかったです!

何よりも周りから、鬱陶しいがられていた、その子供達が、最も可哀想でしたからね。

 

以上、観客の鑑賞マナーというか鑑賞の在り方にも、ひと言申し上げたく、ここに愚痴らせて頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。


『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』(2017年) #出町座 #出町座のソコ

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今回も、1/28(日)に2本の映画を、京都市上京区の出町座と、滋賀県草津市のイオンシネマ草津までにと、クルマにてハシゴ鑑賞した際の感想をまとめさせて頂きます。

 

 

先ずは、お昼から出町座で鑑賞をした『ユダヤ人を救った動物園・アントニーナが愛した命』について紹介させて頂きます。

 

 

この日は12:55から開映のジェシカ・チャスティン主演の『ユダヤ人を救った動物園・アントニーナの愛した命』という作品のセカンド上映に間に合うように、お昼前の午前11時に彼女と待ち合わせをして、市営出町駐車場を利用するべく、クルマに乗って出町座まで赴きました。

 

この映画を観ることにしたのは、親しくして頂いている同世代の女性の映画ブロガーのジョジーさんが、2017年映画ベスト10の中に、前回の『女神の見えざる手』とこの『ユダヤ人を救った動物園・アントニーナが愛した命』のジェシカ・チャスティン主演の2作品をを挙げてられました事や、前回の鑑賞時の予告編の際に、ホロコースト(※)もの映画の中では中々の異色作かと思い、今回も鑑賞に出向いた次第でした。

 

※【ホロコースト】とは・・・ナチスドイツによるユダヤ人に対する組織的な迫害および大量虐殺。特にユダヤ人の大量虐殺そのものを指す。

 

 

これで、3度目の出町座での劇場鑑賞。

 

クラウドファンディングのリターン品として大盤振る舞いをして頂いていました10枚もの沢山の招待券で、今回も、彼女の分とで2枚分使用させて頂き、鑑賞させて頂きました。有り難うございました。

 

 

●出町座(@demachiza):https://demachiza.com/

 

〒602-0823 

京都府京都市上京区今出川通西入上ル三芳町133

(出町枡形商店街内)

 

☎:075-203-9862 FAX:075-320-2526

 

お昼ご飯は各自軽く食べて来ていたものの、一応お目当てだった、出町座内のcafé「出町座のソコ」にて、巷で安くて美味しいと評判の念願のキュウリ3種サンドを注文し、3度目の来館で、ようやく食べる事が出来ました。

出町座のソコの築地静香店長。「評判通りの美味しさでした。ご馳走様でした!」

 

▲「出町座のソコ」のキュウリ3種サンド(300円也)

 

で、今回も初めて出町座に来館時と同じく、地下1Fでの上映でした。

地下1Fの劇場は若干狭いながらも、画面が迫って来ていて重低音が響くので、私見ですが、今回の様な戦争をテーマに扱った映画などには、なかなか相性が良いシアターかとは思いましたね。

 

▲爆撃音などがリアルに感じられ重低音がよく響く地下1Fのシアター。

(※尚、無観客を条件に、許可を得て写真を撮らせて頂いています。)

 

 

で、肝心の映画の方ですが、

前回来館時も、ジェシカ・チャスティン主演による辣腕ロビイストの映画『女神の見えざる手』を鑑賞しましたが、今回の『ユダヤ人を救った動物園・アントニーナが愛した命』は、その邦題の長過ぎる名称の酷さとは運良く正比例せずに、127分間の上映時間が、あっという間に感じられるほど濃密な内容の作品で、ジェシカ・チャスティンのまた違った逞しい精神力を持ちながらも、可愛いらしいポーランド人女性の動物園園長の妻を演じていて、ホロコーストもの映画の中でもなかなかの力作でしたし、異色作でしたね。

 

 

「ユダヤ人を救った戦火の中の動物園(18.1/28・字幕版)」

ジャンル:人間ドラマ

原題:THE ZOOKEEPER'S WIFE

製作年/国:2017年/アメリカ

配給:ファントム・フィルム

公式サイト:http://zookeepers-wife.jp/

上映時間:127分

公開日:2017年12月15日(金)

監督:ニキ・カーロ

キャスト:

ジェシカ・チャスティン、ヨハン・ヘルデンブルグ、マイケル・マケルハットン、ダニエル・ブリュール ほか

 

 

【解説】

第2次世界大戦中のポーランド・ワルシャワで、動物園の園長夫妻が300人ものユダヤ人の命を救った実話を、ジェシカ・チャステイン主演で映画化。

1939年の秋、ドイツのポーランド侵攻により第2次世界大戦が勃発した。ワルシャワでヨーロッパ最大規模を誇る動物園を営んでいたヤンとアントニーナ夫妻は、ユダヤ人強制居住区域に忍び込み彼らを次々と救出。ユダヤ人たちを動物園の檻に忍びこませるという驚くべき策を実行する。

夫婦によるこの活動がドイツ兵に見つかった場合、自分たちやわが子の命も狙われるという危険な状況にありながら、夫婦はひるむことなく困難に立ち向かっていく。

アントニーナ役を「ゼロ・ダーク・サーティ」「オデッセイ」のチャステインが、ヤン役をヨハン・ヘルデンベルグがそれぞれ演じ、マイケル・マケルハットン、ダニエル・ブリュールらが出演。

監督は「クジラの島の少女」のニキ・カーロ。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

法律名と映画の邦題がやたら長いものにはロクなものがないと言われますが、今回の映画の邦題は、ストレート過ぎるくらいに映画の内容を捉えたものですが、あえてその題名の是非は問わないにしても、副題の「アントニーナが愛した命」は余分だと言わざるを得ない位に、今回の邦題はあまりにも長過ぎでしたよね!

しかしながら、その邦題の酷過ぎる位の長さに正比例することなく、実に充実した内容の作品でした。

 

どうせならば、邦題も『ユダヤ人を救った動物園』のみにして、「そもそも副題は無くても別に良かったのでは?」と思ったりもしましたね。

 

 

ナチスの迫害からユダヤ人を匿い逃がしてあげた舞台が当時ヨーロッパ最大規模のポーランドのワルシャワ動物園だったというノンフィクションがベースであり、いわゆる、隠された美談であり、あの忌まわしいホロコーストからユダヤ人を匿った事例としては異色的な作品でしょうね。

 

 

自分自身も我が子をも危険にさらして、300人以上もの命を救った動物園園長夫妻の尊い行為を、今回、私も、映画を通して知ることが出来て良かったです。

 

 

 

冒頭の平和な時代の動物園の様子が実に美しく映えていて、来園に来ておられる人々もとても晴れやかな服装なのが印象的なくらいに、その優雅な美しい日常を綺麗な映像として切り取っていましたね。

 

 

そして対照的に映される戦火の中の動物園。人間同士の争い事に巻き込まれて動物が次々に殺されていくのが観ていて辛くなりましたね。

 

 

当然の事ながら、エンディングロールもすべて英語の文面なので、一体どう言った注釈が入っていたのかまでは英語力のない私には、全く理解出来なかったですが、アニマルアクターのトレーナーの腕前なのか、特撮CG班の力量なのかは解らないですが、動物愛護団体などから動物虐待だと問われることのないように、動物に過度のストレスを与えることなく、爆撃を受けたり、射殺されたりするシーンでの、戦火の中の動物園の動物達のお芝居があまりにも上手くて驚愕しましたし、檻の外に逃げ出した猛獣達がウロウロするお芝居もなかなか達者で拍手喝采ものでした。

 

 

ただ、いわゆる野牛とも称される、バイソンという動物が亡くなって、皆で埋葬するシーンでは如何にも剥製と解る出来栄えでしたが、あえてそう言った見え見えのシーンも挿入する事で、特撮CGもちゃんと用いていることをアピールするべく、匂わせた演出だったのかも知れないですね。

 

 

ただ、アニマルアクターの調教など動物園の動物達の描写の方にお金が掛かり過ぎたためなのか、そもそもの予算の枠的な問題なのか解りませんが、ドイツ軍戦闘機の特撮CGは一切実施されず終い。

戦闘機のエンジン音と機影のみでしっかりと魅せてくれていました。

ここは創意工夫を評価出来ましたね。中途半端なショボい特撮CGを使うよりも、よっぽどマシと思われました。

 

 

この映画になる逸話の元ネタ自体は、そもそもは夫のヤンの方からユダヤ人救出の話を切り出したようですが、ただ、この映画で、注目され中心となるのは妻のアントニーナ(ジェシカ・チャスティン)の方。

 

 

この出来事それ自体が戦争直前から終結後1年までの長い期間を扱っているため、127分という制約のある映画の尺の中に収めるべく、割愛し端折らざるを得なかった部分も多かったようですが、ユダヤ人救出といったそれ自体の描写よりも、むしろ、文芸的な作品よりも、エンタメ作品といった体裁にさせるべく、主人公である妻のアントニーナと、ナチスドイツのヒトラー総統直属の動物学者ヘック(ダニエル・ブリュール)との<危険な関係>を軸にまとめている側面もありましたね。

 

 

 

まぁ、エンタメ風味を利かす意味合いでは、それ自体としては面白かったのですが、「もっとホロコーストからのユダヤ人の救出劇の描写に時間を割いて欲しかったかなぁ」と言った消化不良を起こしたのも事実。

 

 

 

ただ、ポーランド侵攻以前は、理解あるドイツ人動物学者ヘックであった彼でさえも、ヒトラー総統直属の動物学者といった権力を一旦握ってしまうと、やはり暴走してしまうのは、人の心の脆さの一端が垣間見られている点ではこう言った描き方でもアリなのかなとも思われました。

 

 

ドイツ人動物学者ヘック役を演じたダニエル・ブリュールは、これまで、ドイツ人のサッカーの伝道師コッホ先生役やF1レーサーのニキ・ラウダ役などの偉人的な人物を演じたりしており、私的には、かなり好印象を抱いていたのですが、ホロコーストもの映画の中ではドイツ人俳優という特性からか、悪役的な存在としてでも登場することもあるのかと思い、ちょっとショックでしたね。

 

 

私的には数少ないユダヤ人迫害の描写の中でも、ドイツ兵に陵辱されてしまうユダヤ人の幼い少女の逸話が哀しくて切なかったでしたね。

 

 

映画の劇中には、年数などの日付がカウントダウンされるのですが、「いま映画を観ている私達はこの恐怖がいつまで続くのかが解るけど、さぞや匿われたユダヤ人達も、また自分たちの命すら落としかねないリスクを背負ってまでアカの他人を助けることなどはなかなか出来ることではない中にあって、動物園園長夫妻もその息子も、さぞや先の見えない恐ろしい日々にさいなまれていたのだろうなぁ。」と本当に切なくなりながら観ていました。

 

 

ポーランドのゲットー(ユダヤ人強制居住区)が大火に包まれるといった大掛かりなセットによる演出もありましたが、その逆に、「(真夏に)雪?」といったポーランドが火の海になったという描写を、劇中では、灰の雪を降らすことで表現したりしているなどの創意工夫も観られた点も実に素晴らしかったです!

 

 

また、ジェシカ・チャスティン自体は、(アゴの先が割れている事から)「ケツアゴ女」などと揶揄されたりと、決して、取り立てて絶世の美女的な女優さんでもないのですが、『ゼロ・ダークサーティ』や前回鑑賞した『女神の見えざる手』で演じたような強い女性像とも芯の強さは共通しながらも、今作では、それら男っぽい役どころの発声方法とは打って変わって、常に上品にフェロモンを放出していて、ドキドキさせられるほどの優しくて可愛いらしい魅力に溢れた女性像を演じていましたね。

 

▲実在の人物のアントニーナと画像を並べて見比べるとこんな感じ。

 

あと、おそらく演出上による理由かとは思いましたが、終戦後には直ぐに平和が訪れ戻って来たような描かれ方をしていました。

ですが、実際には、ポーランドを制圧占領している軍隊が、ドイツ軍からソ連軍に変わったというだけで、ここから主人公達は共産主義化への道程を歩み苦しんで行くのかと思うと、束の間の平和であって、少々暗澹たる気持ちにもならざるを得なかったですね(汗)。

 

 

日本人の中にも、公人の身分であった杉原千畝(スギハラ チウネ)領事代理が1.000人以上のユダヤ人にビザを発給し続けて命を救った事も有名ですし、2015年には日本でも唐沢寿明さん主演で映画化され、映画『杉原千畝 スギハラ チウネ』は、私も劇場鑑賞(※ブログ記事化していない作品です。)してきましたが、たとえ同じ私人の身分であっても、スティーヴン・スピルバーグ監督の第68回アカデミー賞受賞作品でもある『シンドラーのリスト』(1993年)でも有名になった、あのオスカー・シンドラー氏の様な軍需産業も営む大実業家でもない、今作のヤンとアントニーナの夫婦の場合、しがない個人事業主ということもあって、リスクは極めて高かったでしょうし、その点でも、素晴らしい方々だと思いました。

多くの動物達の命を救えなかったといった自責の念が、彼らを突き動かしたのかも知れないですが、とても勇気がいる命懸けの行為ですからね。

 

▲『杉原千畝 スギハラ チウネ』(2015年)

 

▲『シンドラーのリスト』(製作1993年・日本公開1994年)

 

従いまして、私的な評価と致しましては、

いくつかの点で消化不良気味な側面もあったものの、総花的に見れば、人の命や動物の命の大切さを教えてくれる貴重な作品であることは間違いなかったですし、公式サイトを閲覧しますと、今作品は、文科省推奨作品にも指定されているみたいです。

ですので、お子様などをはじめ、より多くの御方々にこの作品を観て頂けたらと思うほど、道徳的にも感動的な映画でしたので、五つ星評価的には、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の四つ星半評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

※尚、京都市内近郊では、現在、京都市上京区の出町座にて絶賛上映中ですので、是非ぜひ多くの御方々が劇場にてご覧下さることを願っています。

 

また、出町座の推し映画としては、今作もですが、ストップモーションアニメの大家スタジオライカ製作のアニメ映画『KUBO 二本の弦の秘密』もオススメとの事です!!!

 

●出町座(@demachiza):https://demachiza.com/

 

 

●映画『ユダヤ人を救った動物園・アントニーナの愛した命』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。<>

『祈りの幕が下りる時』(2018年) #イオンシネマ草津 #新参者 #阿部寛 #松嶋菜々子

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前回に引き続き、1/28(日)に2本の映画を京都市上京区の出町座と、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで、クルマでハシゴ鑑賞した際の感想をまとめさせて頂きます。

 

 

今回は、2本目として、公開2日目に、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで移動して鑑賞しました、新参者シリーズの完結編となる、劇場版・新参者『祈りの幕が下りる時』について紹介させて頂きます。

 

 

この日は、12:55~15:10にて上映の『ユダヤ人を救った動物園・アントニーナが愛した命』を出町座で観た後、滋賀県草津市のイオンシネマ草津にて16:55から開映の『祈りの幕が下りる時』に、ちょうどくらいで、ハシゴ鑑賞が間に合うようにスケジュールを立ていたのでした。

 

しかしながら、いざ映画を1本目の観終わると、出町座内のcafé「出町座のソコ」でも、キュウリ3種サンドを食べたのでしたが、彼女と、小腹が減ったので、コロッケか何か食べようと相談し、出町枡形商店街の行列店としても有名な、あの名代豆餅の「出町ふたば」本店の2軒隣りにある、精肉店の「出町・岡田商会」にてコロッケやミンチカツなどを注文してから揚げて下さる為にチョットした行列待ちをしましたので、ついつい、ゆっくりし過ぎてしまって、予定が狂って、開映時間までに遅れてしまいそうになり、慌てて滋賀県草津市のイオンシネマ草津までの移動にクルマで急行するに至りました。

 

(※尚、当日は、チョットした行列が出来ており、写真も撮れなかったので、「食べログ」から「出町岡田商会」の参考画像を拝借させて頂きました。)

 

精肉店の出町・岡田商会さん。コロッケなど揚げ立てだったので、本当に美味しかったです。ご馳走様でした!

 

そして、渋滞にも巻き込まれながらも、16:35にイオンシネマ草津に到着し、入口すぐ傍に駐車の空きスペースを見付けて、慌てて駐車。

16:40にようやくチケットを購入し、16:55からの開映にギリギリ間に合う事が出来ました次第でした。

 

 

で、肝心の映画の方ですが、

現代版・「砂の器」風味の映画で、「泣けるミステリー」の謳い文句通りに、ホロリとさせられそうな演出が随所に施された作品でしたが、原作未読なので、この原作小説自体の内容についてはいざ知らず、この映画化作品を以て、東野圭吾原作の新参者・加賀恭一郎シリーズの<シリーズ最高傑作>と言い切るのは、チョット違うのではと思わされました。

 

 

「劇中劇とシンクロさせていない演出が勿体なかった!(18.1/28)」

ジャンル:サスペンス

製作年/国:2018年/日本

配給:東宝

公式サイト:http://inorinomaku-movie.jp/

上映時間:119分

公開日:2018年1月27日(土)

監督:福澤克雄

キャスト:

阿部寛、松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈、キムラ緑子、烏丸せつ子、春風亭昇太、音尾琢真、飯豊まりえ、上杉祥三、中島ひろ子、桜田ひより、及川光博、伊藤蘭、小日向文世、山崎努 ほか

 

 

先ず、ここで、東野圭吾原作の「加賀恭一郎シリーズ」は全部で10作品あります。

 

以下一覧です。

 

第一巻「卒業」

第二巻「眠りの森」(※TVのSPドラマ)

第三巻「どちらかが彼女を殺した」

第四巻「悪意」

第五巻「私が彼を殺した」

第六巻「嘘をもうひとつだけ」

第七巻「赤い指」(※TVのSPドラマ)

第八巻「新参者」(※TV連続ドラマ化)

第九巻「麒麟の翼」(※劇場版・新参者として映画化)

第十巻「祈りの幕が下りる時」(※劇場版・新参者完結編として映画化)

 

結構シリーズ物の中でも歴史が長いのですが、第一巻が発売されたのは、東野圭吾がデビュー第二作目として1986年に刊行の「卒業」。

この時はまだ加賀恭一郎は刑事になる前の大学生の設定です。

在学中に遭遇した事件が書かれています。

 

その後、小説の第八巻から加賀刑事が「日本橋署」へと異動になった事で「新参者」と呼ばれる様になったのですが、TVの連続ドラマの「新参者」はその原作の第八巻目に位置しています。

 

更に2012年に映画化された劇場版・新参者『麒麟の翼』(第九巻)に続き、今回の『祈りの幕が下りる時』は最終巻の第十巻目!

 

これを以て、残念ながら、一応の完結ということになります。

 

 

そこで、映画を観る前に、2010年の連続ドラマ「新参者」をはじめ、2つのSPドラマ「赤い指」(2011年)、「眠りの森」(2014年)、そして劇場版・新参者「麒麟の翼」(2012年)が映像化されていますが、それぞれの作品において、主役の加賀恭一郎刑事やその周囲の関係性が少しずつ変化していくので、そういった流れも把握したいけれども、過去作をイッキ観する手間を省きたい!という御方々のためにも、東宝が公式動画として、<5分でわかる新参者>という分かり易いまとめ映像を作ってくれていますので、観ておいて損は無さそうですので、是非要チェックしておいて下さればと思います。

 

●映画『祈りの幕が下りる時』公開記念~5分で分かる「新参者」~

 

 

【解説】

阿部寛主演、東野圭吾原作による「新参者」シリーズの完結編。

東野の人気ミステリー「加賀恭一郎シリーズ」第10作の映画化で、2010年に放送された連続ドラマ「新参者」、2本のスペシャルドラマ、映画「麒麟の翼 劇場版・新参者」に続き、阿部が主人公の刑事・加賀恭一郎を演じる。

父との確執、母の失踪など、これまで明かされることがなかった加賀自身の謎が明らかとなる。

東京都葛飾区小菅のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見された。アパートの住人も姿を消し、住人と押谷の接点は見つからず、滋賀県在住の押谷が東京で殺された理由もわからず捜査は難航する。

捜査を進める中で加賀は、押谷が中学の同級生で演出家の浅居博美をたずねて東京にやってきたことを突き止めるが……。

演出家の浅居博美役を松嶋菜々子が演じるほか、山崎努、及川光博、溝端淳平、田中麗奈、伊藤蘭、小日向文世らが顔をそろえる。

監督は「半沢直樹」「下町ロケット」「3年B組金八先生」など数多くのヒットドラマを手がけた福澤克雄。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

そして、何故に、私が前述した様に、今回の作品が<シリーズ最高傑作>とは言い難いと感じたかと申しますと、先ず、今回の『祈りの幕が下りる時』には、原作者・東野圭吾が、そして今回の映像化に際して、監督の福澤克雄が、オマージュとして大いに参考にしたであろう先行作品があります。

それこそは、誰もがお察しの通り、松本清張・原作の『砂の器』です。

 

▲映画『砂の器』(1974年の野村芳太郎監督版)

 

▲『砂の器』の場合、父親と息子の行く宛のない旅路でしたが・・・。

 

▲今作の場合には、父親と娘の行く宛のない逃避行でした。

 

1974年の野村芳太郎監督による映画版、2010年のドラマ版など、過去5回に亘って映像化されて来た、昭和を代表する名作中の名作ですが、その映画版を見習ってなのか、最初のあたりから字幕(テロップ)と画で説明する場面が目立ちましたが、あれも昭和の映画の作りの匂いが漂う様な演出で、あそこまで1974年の映画版『砂の器』を意識をしてなのか、ソックリに似せて作り込む必要もなかったのではと思いましたし、現に、あの様な演出には、戸惑った観客も多く見られたような気もしましたね。

オマージュする事自体には問題はないのですが、あえて、いきなり字幕(テロップ)と画のみで引っ張って説明されても観客は面喰らうばかりでしたからね。

 

 

それと原作の中では、一体どの程度、舞台演出家の浅居博美(松嶋菜々子)が演出した戯曲「異聞・曽根崎心中」と、一連のお話しの流れをシンクロさせていたのか私は原作未読なので不明なのですが、この映画のタイトルの持つ意味合いも含めて、浅居博美の演出作品たる戯曲自体に、彼女の生き方との繋がりが少しでも、いやもっと深く交錯していれば、この映画自体に劇中劇がより一層に活かされて、面白味も増していたと思われました。

 

 

その点で、今回の映像化は、『砂の器』風味のヒューマン・ミステリーという点では、原作の再現にはある程度の成功を成したのかも知れないですが、小説の肝となるはずの、舞台演出家・浅居博美のある種の生涯を描いた戯曲「異聞・曽根崎心中」を劇中劇として作品中に巧くシンクロさせなかったというより、全く触れなかったといった脚本・演出の点で、表層的な面だけを捉えた映像作品になってしまった様にも思えてなりませんでした。

 

 

とは言え、決して映像化に際して、悪いところばかりではありません。

 

特に、「顔」の出し方と言いますか、特に、誰(特定の役者さんの顔)と見当がついたら困る「似顔絵」はなかなか巧く出来た小道具でしたし、誰にも似ていそうで似ていない似顔絵作りには、さぞや御苦労された事とお察しします。

 

 

また、今作では、東京都内は元より、滋賀県・能登・仙台・女川など日本各地に及ぶロケを敢行し、特に、私自身は京都市生まれ京都市育ちですが、私の父親はそもそもは滋賀県彦根市出身ですので、滋賀県在住者が被害者という設定だったので、滋賀県彦根市はじめ米原市、長浜市に、近江八幡市の八幡堀など滋賀県ロケも、かなり多くて、何気に知っている場所も多くて親近感が湧いた作品にもなりましたね。

 

 

 

あと、警視庁捜査一課所属の従兄弟の松宮脩平(溝端淳平さん)が加賀恭一郎刑事(阿部寛さん)に対して、初めて「タメ口」で話しているのも注目点でしたね!

 

 

「赤い指」の捜査の際に、加賀が練馬署の捜査一係、松宮が警視庁捜査一課として共に捜査に当たった時から、加賀の日本橋署への転属を経て、ドラマ「新参者」「麒麟の翼」と来て本作でようやくタッグ4作目にして、なんとかバディ感も出て来たのかも(笑)。

でも、今回で完結編なんだよね~!

 

 

また、演出家・浅居博美の若かりし日の14歳当時を桜田ひよりさん。20歳当時を飯豊まりえさんが演じてられましたが、大人になったら松嶋菜々子さんの様に成長するといった同一人物感がなかったのは仕方ないとは言え、特筆すべきは、14歳当時の浅居博美役を演じられた、桜田ひよりさんが凄く感動を呼ぶような好演で良かったでしたね!

彼女の演技により、大泣きはしませんでしたが、思わずホロリとしてしまいましたね。

 

▲14歳当時の浅居博美(桜田ひよりさん)

 

▲20歳当時の浅居博美(飯豊まりえさん)

 

▲40歳代の浅居博美(松嶋菜々子さん)

 

加賀恭一郎の「めっちゃ、綺麗だな!」の台詞同様、松嶋菜々子さん。御年44歳には見えない美貌ですよね(^^)v

 

 

 

また観る角度によって違うのかも知れないですが、髪の毛を染めたり、特殊造型などCGを駆使したのでしょうが、予算の制約以上にCGの技術的な壁があったのか、山崎努さんを、若かりし日の加賀恭一郎の父親・加賀隆正役として、どうにか若く見せようとした努力は分かりましたが、ちょっとマダム・タッソーの蝋人形の館みたいで、不気味に映って仕方なかったですね(汗)。

 

それに対して、加賀恭一郎の母親・田島百合子役の伊藤蘭さんは、賛否両論もあるみたいですが、綺麗に撮ってられたと思いましたね。

 

往年のピンナップガールの烏丸せつ子さんもそれなりにお綺麗に(汗)

 

▲キムラ緑子さんや、

 

▲ミッチーこと及川光博さんや、

 

▲小日向文世さんも重要な役どころで出演されています。

 

▲今作でも加賀隆正の最期を看取った看護師・金森登紀子(田中麗奈)も出演。

 

▲今作における主要人物の相関図。

 

 

私的な評価と致しましては、

前述しました通り、非常に残念だった点は、折角の舞台演出家である浅居博美の役どころや今作の題名自体に由来すると思われる、彼女が演出した戯曲「異聞・曽根崎心中」と彼女の生涯とを巧く劇中劇としてシンクロさせていなかったのが、実に勿体なかったですね。

その為に、今回の題名の意味するところさえも、理解出来なかった観客も少なからず居られたみたいですので、もっと深く劇中劇として交錯させて欲しかったですね。

 

設定その他や個々の詳細部分には違いはあれど、昭和の名作である松本清張原作の『砂の器』をオマージュした作品であることは間違いないと思いますので、あえてそれを逆手にとって、映像化に際しても同じ様な手法を採った演出手法にするのも如何なものかとも思いましたし、狙いによる演出であっても、あの字幕(テロップ)と画による説明過多はちょっと遣り過ぎ感がアリアリでしたね。

 

と言った様な、悪い側面ばかりでもなく、本作は、出演者の好演が実に輝る作品でもあり、従来からの主要キャストのみならず、松嶋菜々子さんの好演はさることながら、豪華キャストが揃い踏みで素晴らしい演技を見せてくれていました。

その中でも、特に注目すべきは、14歳当時の浅居博美の役どころの桜田ひよりさん。彼女の悲痛な演技が涙を誘いましたね。

20歳当時の浅居博美役を演じた、飯豊まりえさん共々に将来有望な若手女優さんですね。

 

ミステリー小説のためにあまりにも深い内容まで書き込めませんが、以上から総合的に評価しまして、新参者・加賀恭一郎シリーズの完結編という点も加味しましても、五つ星評価的には四つ星評価の★★★★(80点)位の評価が相応しい作品かと思いました。

 

今作を以て、映像作品としての「新参者」シリーズは完結を迎えるというのには非常に勿体ないので、日本橋署での「新参者」という存在意義は無事に加賀恭一郎の中で消化出来たかも知れないですが、東野圭吾先生には、是非、引き続き「加賀恭一郎シリーズ」の次回作をお願い致したいですね。

 

※尚、私個人的には、TVのSPドラマ『赤い指』が加賀恭一郎シリーズの中の映像化作品では、<シリーズ最高傑作>と思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『マンハント』(2017年) #追補 #イオンシネマ久御山 #FMうじ #福山雅治

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先日の2/4(日)には、イオンシネマ京都桂川にて『スリー・ビルボード』と『羊の木』をハシゴ鑑賞したのですが、生憎と、未だブログ記事にするのが追いついていない状況で申し訳ないのですが、その前に、鑑賞の順序は前後してしまいますが、一昨日の振替休日である2/12(火)に、この日も、彼女と一緒に、映画を2本ハシゴ鑑賞してきました『マンハント』と『今夜、ロマンス劇場で』の方を、先にブログ記事にして紹介させて頂きたいと思います。

 

 

 

今回は、昨年に、『キングコング・髑髏島の巨神』の鑑賞に行って以来のイオンシネマ久御山での鑑賞でした。

 

 

と言うのも、私の住まいは京都市内の為に、受信エリアからは、かなり離れているのですが、Twitterでその存在を知って以降、インターネット放送にて聴いている、コミュニティラジオ局のFMうじ(エフエム宇治放送)のプレゼントに応募して、見事に当選!

当選したのが、イオンシネマ久御山にて使用出来るペアの無料観賞券でしたので、今回久し振りに赴いた次第でした。

 

 

(※来館当日は、振替休日でしたので、かなり混み合っていましたので、イオンシネマ久御山の施設内にて写真を撮ることが出来なかったので勝手乍ら参考画像を拝借しました。)

 

しばらくぶりに来館して驚いたのが、先ず、イオンシネマ久御山と言えば、イオンシネマ系列のシネコンの中でも最古参の古めかしい設備で有名だったのが、チケット売場に新規に5台ほどの自動券売機を導入し、映画の開場開始の順番もちゃんと電光掲示板で知らせる様に設備改善がなされていた点でした。

この改善により、以前に比べて、待合フロアが大きく採る事が出来て、待ち時間の待機用にと、ソファなども数多く配置されていて、すごく居心地が良くなっていましたね。

 

 

しかしながら、いざ劇場の中に入ってみますと、劇場の前は他の新しいイオンシネマ系列のシネコンの様な電光掲示板とは異なり、立て札による作品名の案内のままでしたし、劇場内の座席も新調した形跡もなく、従来通りの古臭い設備のままだったのがやや残念でした。

 

 

▲『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年)

 

▲『君よ憤怒の河を渉れ』(中国の題名:『追補』)の中国版ポスター。

 

で、先ずは、彼女と一緒に、イオンシネマ久御山の無料観賞券を使用して観た1本目の作品は、この日、2/9(金)から公開4日目。

過去に故・高倉健さん主演に中野良子さんや故・原田芳雄さん等の共演にて映画化された『君よ憤怒の河を渉れ』という西村寿行さんの原作小説にて、日本はおよび、中国全土でも『追補』という題名にても記録的な空前の大ヒットを収めた作品を、故・高倉健さんを敬愛して止まない、アジアン・アクションの巨頭たる、ジョン・ウー監督により、故・高倉健さんに対するオマージュ作品として再映画化。

いわゆる、リメイクをした最新作を鑑賞しましたのでここに紹介させて頂きます。

 

 

「ジョン・ウー監督&福山雅治ファンは必見!(18.2/12・字幕)」

ジャンル:アクション

原題:追補(MANHUNT)

製作年/国:2017年/中国

配給;ギャガ

公式サイト:http://gaga.ne.jp/manhunt/

上映時間:110分

公開日:2018年2月9日(金)

監督:ジョン・ウー

キャスト:

チャン・ハンユー、福山雅治、チー・ウェイ、ハ・ジウォン、國村隼、竹中直人、倉田保昭、斎藤工、アンジェルス・ウー、桜庭ななみ、池内博之、TAO、トクナガクニハル、矢島健一、田中圭、ジョーナカムラ、吉沢悠 

 

 

 

【解説】

「レッドクリフ」「男たちの挽歌」シリーズの名匠ジョン・ウーが、「戦場のレクイエム」のチャン・ハンユーと「三度目の殺人」の福山雅治をダブル主演に迎えたサスペンスアクション。

日本でオールロケを敢行し、1976年に高倉健主演で映画化された西村寿行の小説「君よ憤怒の河を渉れ」を再映画化した。

製薬会社の顧問弁護士をつとめる男ドゥ・チウは、パーティの翌朝、社長秘書・希子の死体の横で目を覚ます。

現場の状況証拠はドゥ・チウが犯人だと示しており、罠にはめられたと気付いた彼は逃亡を図る。

独自の捜査でドゥ・チウを追う敏腕刑事・矢村は、ドゥ・チウに近づけば近づくほど事件に違和感を抱くように。

やがてドゥ・チウを捕らえた矢村はドゥ・チウの無実を確信し、警察に引き渡さずともに事件の真相を追うことを決意する。

共演にも「第7鉱区」のハ・ジウォン、「哭声 コクソン」の國村隼、「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の桜庭ななみら日中韓の人気俳優がそろう。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

先ず、字幕版のはずなのにほぼ半分以上が日本語で「あれ?吹替版なの?」と自分の買ったチケットが字幕版かどうか確認しようかと思うくらいに、ビックリさせられますが、口の動きが微妙に合っていないので、おそらく、英語か中国普通語(若しくは広東語だったのか)の台詞を再度日本人キャストが吹き替えているみたいですね。

 

いわゆる<香港ノワール>というジャンルを確立させたアジア映画界、そしてハリウッドなど世界的にもその名を残してきたアクション映画界の巨匠ジョン・ウー監督の最新作にして、それが日本映画の故・高倉健さんの主演作として名高い『君を憤怒の河を渉れ』の再映画化で、主たる舞台は大阪。これは日本のジョン・ウー監督ファンには、実にたまりませんね。

 

▲韓国の人気女優ハ・ジウォン演じる殺し屋のレイン。

 

冒頭、おそらく、これも『君よ憤怒の河を渉れ』のオマージュだと思うのですが、いきなり演歌が流れる中、寂れた港町の居酒屋といった、かなり1970年代を意識してデフォルメされた日本の風景には、現代の日本人から観ますと、ちょっと笑えてしまう入り方(笑)。

 

▲中国の人気俳優チャン・ハンユー演じる元顧問弁護士のドゥ・チウ。

 

ですが、その後、製薬会社・天神製薬の元顧問弁護士のドゥ・チウ(チャン・ハンユー)が、製薬会社の記念披露パーティの翌朝、その製薬会社の女性秘書・田中希子(TAO)の殺人容疑者とされて、いざ逃走劇が始まりますと、怒濤のアクションが炸裂。

 

▲天神製薬の酒井社長(國村隼さん)と次期社長である息子(池内博之さん)。

 

 

 

ジョン・ウー監督が手掛けた『フェイス/オフ』(1997年)の際の様な水上バイクによるアクションに、『ハード・ターゲット』(1993年)の時の様なバイクアクション。

それらが日本のそれも主に大阪を舞台に繰り広げられるのですから、まさにワクワクものでしたね。

 

 

犯人を追う敏腕刑事・矢村聡役の福山雅治さんの身体を張った熱演。

邦画では『るろうに剣心/伝説の最期編』やNHK大河ドラマ『龍馬伝』などで多少の剣さばきを観せてくれた事はありましたが、さすがにガンアクションは初めての経験じゃなかったかと思います。

 

 

その部下の新人女性刑事・百田里香(桜庭ななみさん)は、その可愛さでアクセントをつけてくれていましたね。

 

 

ジョン・ウー監督作品のお約束の二丁拳銃に横っ跳び。そして白鳩が舞う描写も今作でも案の定採用されていましたが、お決まりの白鳩が飛ぶ描写ついては、半ば強引なくらいな演出でしたね。

 

 

 

▲アクション俳優顔負けに韓国の人気女優ハ・ジウォンまで横っ跳び。

 

▲ジョン・ウー監督の愛娘のアンジェルス・ウーも女殺し屋のドーン役としてアクションを熱演。但しながら、美人女優のハ・ジウォンと姉妹役というのは設定上かなり無理があったかも知れないですね(笑)。

 

 

また、前半部分で、矢村聡刑事の敏腕刑事ぶりを紹介するべく、テロリスト犯人A役に斎藤工さん、犯人B役に吉沢悠さんが登場していましたが、当初テロリストの犯人と交渉していた大阪府警の刑事役に、ジョン・ウー監督とも容姿がソックリな、私の好きなアクション俳優の島津健太郎さんもカメオ出演されていたのも観逃しませんでしたし、嬉しかったですね(^^)v

 

▲ジョン・ウー監督と島津健太郎さん。並べて見比べますと結構似ていますよね(笑)。

 

 

今作の牧場での乗馬シーンや乗馬馬が大挙して駆け抜けていくシーン等は、故・高倉健さん主演の『君よ憤怒の河を渉れ』で、遥か北海道から東日本を大縦断をして東京都新宿区まで逃避行した際の各演出シーンのオマージュかとも思われました。

 

▲遠波真由美役を演じる中国人女優のチー・ウェイ。

 

▲日本人女優からは矢村聡刑事の部下・百田里香刑事役演じる桜庭ななみさん。

 

▲韓国の人気女優からは、女殺し屋レイン役演じるハ・ジウォン。

 

日本・中国・韓国の美人女優揃い踏みでしたね。

 

 

また懐かしい<Gメン75>の当時より有名な日本人カンフースターの倉田保昭さんも、ジョン・ウー監督作品に出演されているのが何とも嬉しい限りですよね!

 

▲竹中直人さんも矢村聡刑事の上司・伊藤役で出演。

 

 

お話しの筋書き的には、殺人事件に潜む陰謀や闇がやけに早く明かされたり、たとえ立場を越えた正義を貫くための男同士の友情であっても、何度も容疑者を取り逃がしたり、不自然なところもありましたが、そこはその分、怒濤の連続技のハードアクションで、観客に深くまで細かい脚本上の設定の粗を考えさせずに、派手なアクションを、ただ魅せることを重視した様な構成になっていました。

 

 

天神製薬研究所内でのクライマックスのアクション自体よりも、その前段階の牧場での野外戦の方がかなり盛り上がってしまって、映画としての山場が早くに過ぎて、最後でややだれ気味なのが、少々残念ではありました(汗)。

 

 

ジョン・ウー監督が、今回のダブル主演の福山雅治さんの日本刀の使用のアイデアなども積極的に採り入れたりと、久し振りの現代劇のアクション映画にて、日本でのロケを楽しんで作ったというのがよく解る出来栄えの逸品。

ジョン・ウー監督ならびに福山雅治さんのファンならば尚のこと必見の映画でしょうね。

 

 

私的な評価と致しましては、

ジョン・ウー監督による久し振りの現代劇のアクション映画であり、それがまた故・高倉健さん主演の『君よ憤怒の河を渉れ』のリメイク版であり、主な舞台は日本の大阪となれば日本のアクション映画ファンにはたまらない作品ですね。

ですので、ジョン・ウー監督の<香港ノワール>作品を予てから観続けてきた私からすれば、贔屓目に観て、五つ星評価的にも四つ星評価の★★★★(80点)の高評価にも値する作品かと思いました次第です。

 

尚、最近の国内のロケ地誘致に関しましては、滋賀県の滋賀ロケーションオフィスが、滋賀県を「びわ湖の県」から「映画の県」と呼ばれるべく奮闘し、こと日本映画に関しては、かなりのロケ地誘致の実績を上げて頑張っているみたいですが、海外の大掛かりなロケ地の誘致に関しましては、30年前の『ブラックレイン』の時以来となる大阪でのロケを敢行してもらったみたいで、流石に大阪は、アクション映画が似合う街ですね!

 

▲ジョン・ウー監督と愛娘アンジェルス・ウー。

 

◎エンドロール後の動画パンフレット(ジョン・ウー監督と福山雅治さんの対談)は珍しいし、家でBlu-rayディスクの特典映像を観るかの様な感覚で観られて、面白い試みでしたね。

(2/9~2/16までの上映期間中のみはこの動画パンフレットのオマケ映像が観られます。)

福山雅治さんの映画の撮影秘話やジョン・ウー監督の愛娘アンジェルス・ウーとの逸話なども披露されますので、是非劇場へ急ぎましょう!!!

 

 

●映画『マンハント』本予告

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

この2/12(月・振替休日)に、本日の2/14のバレンタインデー当日には彼女とは所用で逢えないので、ひと足早いバレンタインチョコとして手作りガトーショコラを貰いました。

たとえ、50歳になっても、彼女からの手作りチョコは嬉しいものです❤

 

しかしながら、映画鑑賞のあいだ車中に置きっ放しにしていたら溶け出したら大変なので、慌てて頬張って食べました次第でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『今夜、ロマンス劇場で』(2018年) #イオンシネマ久御山 #綾瀬はるか #坂口健太郎

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前回に引き続き、2/12(月)の振替休日に、FMうじ(エフエム宇治放送)のプレゼント企画で当選した、イオンシネマ久御山で使用出来るペア無料観賞券を使用して観た『マンハント』と共にハシゴ鑑賞をした『今夜、ロマンス劇場で』の感想をまとめさせて頂きます。

 

 

今回は、その2本目として、この日が公開3日目の作品。

同じシネコンのイオンシネマ久御山で引き続き鑑賞しました、綾瀬はるかさん×坂口健太郎さんダブル主演のラブファンタジー映画『今夜、ロマンス劇場で』について紹介させて頂きます。

 

 

 

「切なくも笑いあり涙ありの感動巨編!号泣必至!(18.2/12)」

ジャンル:ラブ・ストーリー

製作年/国:2018年/日本

配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/romance-gekijo/

上映時間:109分

監督:武内英樹

キャスト:

綾瀬はるか、坂口健太郎、本田翼、北村一輝、中野明慶、石橋杏奈、西岡徳馬、柄本明、加藤剛

 

 

【解説】

綾瀬はるかと坂口健太郎が共演し、モノクロ映画の中のヒロインと現実世界の青年が織りなす切ない恋の行方を描いたファンタジックなラブストーリー。

映画監督を目指す青年・健司はモノクロ映画のヒロインである美雪に心を奪われ、スクリーンの中の彼女に会うために映画館に通い続けていた。

そんなある日、美雪が実体となって健司の前に現われる。

モノクロ姿のままの彼女をカラフルな現実世界に案内するうち、健司と美雪は少しずつ惹かれ合っていく。

しかし美雪には、人のぬくもりに触れると消えてしまうという秘密があった。

「のだめカンタービレ」シリーズの武内英樹がメガホンをとり、「信長協奏曲」の宇山佳佑が脚本を担当。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

今回は、久し振りに邦画で泣かされてしまいました。

それもハンカチでは足りずにタオルで涙を拭わないといけない位の大泣きでした。

決して、作品自体は、お涙頂戴的な難病患者もの映画などでもなかったのですが、今作はあくまでも架空のラブファンタジー映画でしたが、あまりにも映画愛が沢山溢れた作品だった事もあって、周囲を気にしながらも、鼻をすすりながら泣いてしまっていました。

でも周りの多くの観客の皆さんもシクシクと泣かれておられるのが伝わって来ましたので、私自身も、大のオトナが映画で泣くといった恥ずかしさもどこかに消え失せていました。

 

 

 

ここ最近親しくして頂いている、映画ブロガー・めえめえさんのブログ記事が、とても分かり易い解説をされていましたので、以下、勝手乍らも、その内容を参考に書き進める事とさせて頂きます。

 

 

舞台は日本映画界の転換期、昭和35年(1960年)。

TVのカラーの本放送が始まり、映画からテレビへと移り変わりつつあった1960年代。

映画監督を目指す生真面目な助監督の青年・牧野健司(坂口健太郎さん)が憧れる昔のモノクロ映画は戦前の作品のようです。

 

時代の流れを表すBGMの途中に、玉音放送が流れ、(現在の平成の今上天皇皇后両陛下が)、皇太子殿下・美智子妃殿下としてご成婚された際のパレードの様子のニュース報道が流れ、そして翌年の1960年を迎えます。

 

 

牧野健司の苗字の「牧野」は、おそらくですが、<邦画の父>である牧野省三への敬意を払っての設定なのでしょうね。

 

 

これまでも、時空を飛び越えたラブファンタジー映画は沢山ありましたが、この映画がそれらと大きく違うのは、昔の映画のヒロインを演じた女優さん本人がスクリーンから飛び出して来たのではありません。

 

 

映画として作られたヒロインの美雪(綾瀬はるかさん)が健司に会いに来たわけで、彼女はまさに架空の人物とも言えます。

 

 

この作品の劇中劇の映画自体も、もちろん架空の映画『お転婆姫と三獣士』。

 

▲「三獣士」も、タヌ吉役に竹中直人さん。虎衛門役に池田鉄洋さん。鳩三郎役に酒井敏也さんなど豪華な顔ぶれ。

 

そう言う意味合いでは、スクリーンから登場人物が飛び出す作品は、ウッディ・アレン監督の『カイロの紫のバラ』(1985年)が有名ですので、この作品がその二番煎じというような印象をお持ちの御方もかなり多いかも知れないですが、実際に映画を観るまでは、私もその一人でしたが、それよりも、ディズニー映画の『魔法にかけられて』(2007年)が、アニメからお姫様が出て来る作品なので、どちらかというとこちらの方が作風が近いかも知れないですね。

 

▲『カイロの紫のバラ』(1985年)

 

▲ディズニー映画『魔法にかけられて』(2007年)

 

 

私も、映画ブロガー・めえめえさんのブログ記事を拝読して、その事に初めて気が付いた次第でした。

 

 

また、この物語自体が、現在入院中の老人となった健司(加藤剛さん)の書きかけの脚本でした。

もちろん実際にあった二人の話を脚本としてしたためていたのですが、当時は完成することが出来ませんでした。

 

理由は、予告編でも観られるのでネタバレにはならないとは思いますが、彼女には大きな秘密があったから。

 

 

ただ映画を観ながら細かい設定的には、「色落ちについて、お茶はダメでも雨に濡れるのは大丈夫なのか?」とか、「三獣士と三地蔵とは何かしら意味を掛けているのか?」とか「虹への願いは?」とか伏線を回収仕切れていない部分も数多くあり、それらが気になったりもしましたが、あえてそれらにいちいち説明をする事もなく、ただひたすら綺麗な画で魅せる演出に拘った点も奏功したのかも知れないですね。

 

 

特に、目を瞠ったのは、撮影地でもある栃木県足利市のライトアップされた藤棚のシーンが幻想的ですごく美しかったでした。

 

 

 

 

私が生まれる数年前の設定でしたが、昭和生まれの一人としましても、なんだかノスタルジックな感情に浸れましたね。

特に、このロマンス劇場の雰囲気がまた実に良かったでした!

 

 

また、めえめえさんもご指摘の通り、先日までNHKで放送されていた綾瀬はるかさんの主演ドラマ『精霊の守り人』。

 

 

 

この映画のお転婆姫・美雪と、ドラマ『精霊の守り人』の女用心棒バルサが喋り方がソックリでした!(笑)。

度々、健司を「おまえ」と呼ぶ場面。バルサとほぼ同じでした。

しかも、冒頭のモノクロ映画内に槍の戦闘シーンがあったりと、女用心棒のバルサのオマージュ説も、あながち間違いでもないかも?(笑)。

 

 

坂口健太郎さんは、映画では是枝裕和監督の『海街diary』ではあまり出演されていた記憶にもなかったですが、昨年の主演映画『君と100回目の恋』では、かなり熱演されていましたので、印象深かった俳優さんでしたが、今回の作品でも、なかなか昭和チックな役どころも上手く好演されていましたね。

 

 

 

脇を固める俳優陣。

皆さんそれぞれ適役で良かったと思いました。

加藤剛さんは知的な老人役がいつもピッタリですね。今年で御年80歳になられるのですね。

 

 

 

 

 

 

 

特に、お笑いパートを担当された訳ではないのでしょうが、北村一輝さん演じるハンサム・ガイ。俊藤龍之介。

若大将シリーズなどというよりも日活の石原裕次郎さんを意識した設定なのでしょうが、結構笑わせて頂きましたし、その大人の対応には、一同共々「勉強させて頂きました」!(笑)。

 

 

 

 

美雪(綾瀬はるかさん)の恋敵というか映画会社社長令嬢の成瀬塔子役の本田翼さんも好演。

10代の人達など若者層から圧倒的な絶大なる支持を受けているらしく、俳優の人気度調査のランキングでは、綾瀬はるかさんを大きく引き離してベスト10圏内に入っておられるらしく、若手女優さんの中でも注目株みたいですね。

 

 

最後の劇場に、最後の二人。

どういった結末を迎えるのかは号泣必至の観てのお楽しみ❤

 

 

10代の純愛映画・青春映画とは、また違うビターなほろ苦い大人の純愛物語。

めえめえさんの記述されている意見の箇所と同じく、私も、あの映画のオマージュの、ガラス越しのキスシーンや、最後に、二人して浜辺を歩く場面が印象的でした。

 

 

私的な評価と致しましては、

女性視点と男性視点でもかなり印象が変わってくるかも知れないですが、究極のラブファンタジー映画として後世にも残せられる位に素晴らしい映画でした。

個々の伏線を全て回収しきれずに放置したままの箇所もありはしましたが、そんな枝葉末節なことはどうでも良くなるくらいに、お話しが終盤に差し掛かるにつれて、切なくて大粒の涙がポロポロ溢れ出てくるくらいに感動を呼ぶ大人の純愛を描いた、まさに感動巨編でした。

私が、綾瀬はるかさんのファンと言うことを抜きにしても、オードリー・ヘプバーンの『ローマの休日』の雰囲気も見事に再現した様な貫禄の演技で、今作では、オードリーに匹敵する位の魅力を持ち合わせた綾瀬はるかさんが、架空のヒロインのお転婆姫・美雪を演じてられたと思いました。

 

同じく、綾瀬はるかさんの魅力ありきの映画の『本能寺ホテル』とは雲泥の差でしたね。

 

シェネルが歌う映画主題歌『奇跡』も凄く映画にマッチングした曲で、エンディングロールに華を添えていましたね。

 

尚、唯一、改善点があるとすれば、映画タイトルは『今夜、ロマンス劇場で』ではなく『今宵、ロマンス劇場で』とするべきだった様に思いましたが、何か意図的に「今夜」とした方が良いとされる判断材料があったのでしょうかね?

 

従いまして、今年のベスト10圏内のランクインも考えられるほどの感動作でしたので、五つ星評価的にも、文句なしの五つ星の満点評価★★★★★(100点)が相応しい作品と思いました次第です。

 

●映画『今夜、ロマンス劇場で』予告編

 

 

●シェネルー奇跡ー『今夜、ロマンス劇場で』Ver.PV

 

 

 

 

 

 

 

 

◎もしも『ローマの休日』がカラー映像化されたらこんな感じ?(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『スリー・ビルボード』(2017年) #イオンシネマ京都桂川 #フランシス・マクドーマンド

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今回、かなり順序が前後していましたが、ようやくながら、今月第1週目の週末の2/4(日)に、彼女と一緒にハシゴ鑑賞していました、第90回アカデミー賞脚本賞他の最有力候補である『スリー・ビルボード』と、邦画『羊の木』の感想をまとめさせて頂きます。

 

今回の映画が両作品とも、ちょっと心情的に濃い内容の映画でしたので、彼女が一緒に楽しめたかどうか不安でもあった映画でしたね。

 

 

今回は、この日の1本目に鑑賞しました、この日が日本公開4日目のオスカー候補作として最有力の『スリー・ビルボード』について紹介させて頂きます。

 

先ずは、今回は、例年、アカデミー賞関連作品については、かなり遅れての上映といった、同じ轍を踏むことなく、アカデミー賞候補作ではありますが、シネコンよりもミニシアター向きの本作品『スリー・ビルボード』を積極的に上映するべく尽力して頂いた、イオンシネマ京都桂川の支配人はじめ劇場スタッフの方々に御礼を申し上げます。

 

観客動員数の面では、それなりにご苦労なされておられるご様子ですが、映画ファンの端くれとしましては、とても嬉しい限りでした。

 

 

「怒りは怒りを呼ぶのみ。赦しの精神を描いた映画(18.2/4・字幕)」

ジャンル:サスペンス

原題:THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING,MISOURI

製作年/国:2017年/イギリス

配給:20世紀フォックス映画

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/threebillboards/

上映時間:116分

公開日:2018年2月1日(木)

監督:マーティン・マクドナー

キャスト:

フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル、アビー・コーニッシュ、ジョン・ホークス、ピーター・ディンクレイジ

 

 

 

この同じ日に観た、邦画『羊の木』にも、元殺人犯に息子を殺され、犯人に復讐心を抱く父親役として深水三章さんが(これが遺作となったそうですが)好演され、そんな殺人事件の被害者の家族という点からやるせない憎しみの思いの丈を爆発させたい気持ちには思わず同情してしまいますが、仇討ち禁止の法律がある通り、自ら手を下しても、新たなる憎しみを生むだけで、憎悪の連鎖は途絶えることがなく、今作も、そういった憎しみの連鎖と神の下の赦しの精神を描いた作品とも言えるかも知れないと思いました。

 

 

兎に角、誰もが完全なる<善>でもないし、また<悪>とも言えない。

そもそも人間を、単純に、勧善懲悪的な色分けが出来るはずもないとでも言いたげな脚本仕立てには流石に凄いとは思わざるを得なかったですが、決して、そこにはどうにもこのお話しに共感出来ない自分が居たのでした。

 

 

 

【解説】

2017年・第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、同年のトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞するなど各国で高い評価を獲得したドラマ。

米ミズーリ州の片田舎の町で、何者かに娘を殺された主婦のミルドレッドが、犯人を逮捕できない警察に業を煮やし、解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な広告看板を設置する。

それを快く思わない警察や住民とミルドレッドの間には埋まらない溝が生まれ、いさかいが絶えなくなる。

そして事態は思わぬ方向へと転がっていく。

娘のために孤独に奮闘する母親ミルドレッドをフランシス・マクドーマンドが熱演し、ウッディ・ハレルソン、サム・ロックウェルら演技派が共演。

「セブン・サイコパス」「ヒットマンズ・レクイエム」のマーティン・マクドナー監督がメガホンをとった。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

 

ミズーリ州の架空の町としながらも、小さな田舎町の一見平穏そうに見えるその町の人々の暮らしが、娘をレイプされ焼き殺された母親ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)の復讐心の発端とも言える、3枚のビルボード(広告看板)による、警察署長ウィロビーを名指ししての警察の怠慢ぶりを訴えかける言葉から、彼女に対する同情心から、一転して皆から反感を買い、町民を巻き込み、様々な事件を巻き起こしていく。

 

 

歪んだ親子関係、壊れた夫婦関係に家族、人種差別、職権乱用、報復行為など現実のアメリカ社会の抱える様々な問題をも詰め込みながら、まとめあげる脚本は見事という他なかったでした。

 

 

一見すると犯人捜しを主体にしたミステリードラマタッチで引っ張って行くものの、最終的な着地点は人間ドラマにあるといった、あたかも、あの「新参者」などの東野圭吾作品を観ているかの様でもありました。

 

 

それにしても、今作の主人公ミルドレッドは、とても可愛くない女。

 

 

だから離婚されたのだろうし、あのDVの元亭主を相手にしたくらいに、一筋縄ではいかない女性像。

でも、決して性格自体がそうさせているのではなく、実は娘が殺害されるに至るまでの遣り取りが大きかったとも思われました。

 

 

また、冒頭で、広告会社に、ミルドレッドが扉を開けて入ってくるシーンはどことなく西部劇のガンマン風。

それもそのはず、ミルドレッドの登場シーンにはマカロニ・ウエスタンのテーマ曲があてがわれているのだから、意図的なBGMでした。

 

そんな登場人物の中でも、とりわけ、ヒロインのミルドレッドにとって「自らの正義」を振りかざしているつもりでいるのが、私には、どうにも釈然としない。

 

 

考えてみれば世界各地で横行するテロ行為も突き詰めてみれば「誰かの都合による正義」の実行を拡張したに過ぎないし、見方を変えれば、この様にして、現在、私達がTwitterやInstagramやFacebookといった、SNSなどを使って、何かの出来事に対して批判や抗議をしているのとも何ら変わらないのかも知れない。

 

そこにあるのは、正義感かも知れないし、悔しさや憎悪といった負の感情なのかもしれない。

 

私達はTweetなどをすることにより、さも世間に<問題提起>をし、一見、善行をしたかの様な気分に浸りますが、そこには賛同する者も居れば、反対をする者も居て、両者が議論をしている内は良いけれど、いつしかブロック、それで気が済まなければ誹謗中傷、果ては<炎上>にまで発展してしまいます。

 

従って、<文字>という物は、読み手によっては、勝手気儘な解釈もなされて、様々な感情を引き起こし、問題を益々とエスカレートさせていく変幻自在な生き物の様な物なのかも知れない。

 

とTweetなどでの失敗事例による自戒の念をも込めて書き記しましたが、そういった「誰かの都合による正義」同士が寄り集まったところで、所詮、物事が解決などはしないという道理については、私達はよく知っています。

 

 

今回、ミルドレッドが立てた広告看板という<問題提起>によって、最も人生を左右させられたのは、警察署長ウィロビー(ウディ・ハレルソン)だったでしょうね。

町でも人気が高い人徳者の警察署長は、自分自身に大きな問題を抱えていた事もあり、むしろ彼女に同情的でした。

神の下の赦しの精神で、命を賭けてまで、彼女の思いを遂げさせようとさえします。

 

 

それに対して、彼女の所業ではあるのですが、むしろお馬鹿で注意散漫から自業自得でそうなったのが、マザコンで人種差別主義者の巡査ディクソン(サム・ロックウェル)。そして、それを焚き付ける毒親。

しかし、この憎たらしい男は、火事のその後がからが良くなり出しましたね。

 

 

それもこれも、<ストローを挿したオレンジジュース>という、赦しの精神を垣間見たせいだったのでしょうね。

失敗してもセカンドチャンスをちゃんと与えてあげるあたりは、監督の理性と赦しの精神を感じましたね。

 

 

そつがない脚本であるとともに、田舎町の強い中年女性を演じさせたらこの人しかいないとばかりに、娘の復讐に燃えるミルドレッド役のフランシス・マクドーマンドはじめ、警察署長ウィロビー役のウディ・ハレルソン、巡査ディクソンと主人公が交互に代わり代わりに交錯する、三人の実力俳優によるアンサンブルを奏でるかの様な演技合戦を観るための映画の様でもありました。

 

ただ、巡査のディクソンも差別主義者でしたが、ミルドレッドも小人症の男性をないがしろにしていたのは頂けなかったですね。

小さい人、良い人柄だったのに。

 

 

ミルドレッドとディクソンを似たもの同士の性格付けに設定したのも、もしやそもそもがラストへの伏線だったのかも(笑)。

 

 

私的な評価と致しましては、

差別主義者の巡査ディクソンは終盤改心したので、未だしも、どうにも主人公ミルドレッド役のフランシス・マクドーマンドの個性が強烈で粗暴過ぎて、どうにも共感出来ない部分を引き摺ったまま、現在に至るのが正直な感想ですね。

むしろ共感してしまうのは、警察署長ウィロビー役のウディ・ハレルソンくらいでした。

 

そもそも誰が最も悪いと言えば殺人を犯した犯人なのですから、警察の捜査の行き詰まりを以て逆恨みして、あそこまでの報復行為を行うのは全くの筋違いにも程がありましたよね。

 

そんなこんなで、釈然としないまま観続けてしまった訳ですが、私自身も未だ未だ<赦しの精神>の修業が足りないのかも知れないですね。

 

 

とは言え、当のミルドレッドは家族の息子の声や、神父様の言葉さえも耳を貸さない状態でしたけれどね。

 

従いまして、作品の脚本の出来栄え、演者とも文句の付けどころはないのですが、どうしてもお話しの展開上とは言え、遣り過ぎ感ハンパなかったミルドレッド役のフランシス・マクドーマンドの役どころの個性を受け止める事が出来なかったので、その点を差し引かせて頂きまして、五つ星評価的には四つ星評価の★★★★(80点)止まりの評価とさせて頂きます。

 

 

そんな私の評価などが、どうであれ、ミルドレッド役のフランシス・マクドーマンドが主演女優賞のオスカー最有力候補であり、ウディ・ハレルソンとサム・ロックウェルとが共に助演男優賞のオスカー候補というのも頷けます。

何よりも、脚本賞はほぼ確実視されているみたいですが、主演女優賞、助演男優賞、そして更には、作品賞も受賞するのかどうか?

 

※個人的には、監督賞&作品賞については、大ファンのギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』の受賞を期待しています。

 

来月の第90回アカデミー賞授賞式での発表が楽しみですね。

 

●映画『スリー・ビルボード』日本版 新予告編

 

 

◎尚、今作のマーティン・マクドナー監督が敬愛する、日本が誇る北野武監督の作品の常連俳優さんだった、大杉漣さんが今日2月21日に、急性心不全の為に急逝されたとの事。驚きを隠せません。

ご冥福を心からお祈り申し上げます。

 

 

▲北野武監督作品『ソナチネ』(1993年)では片桐役で出演。

 

▲北野武監督作品『HANA-BI』では同僚刑事・堀部役を好演。

 

▲『アウトレイジ・最終章』では花菱会会長・野村役で生き埋め出演。

 

▲最も名が知れたのは、おそらく『シン・ゴジラ』(2016年)での大河内清次内閣総理大臣役でしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~』の観覧に行って来ました。#京都国立近代美術館 #ゴッホ展

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先ずは、当初は、2/4(日)に『スリー・ビルボード』とハシゴ鑑賞してきた、邦画『羊の木』のブログ記事をまとめようかと思って予定していました。

 

また、今年に入って、未だブログ記事化出来ていない作品として、2/15(木)のレイトショーにて彼女と一緒に鑑賞した『デトロイト』や、その翌朝の16(金)に、母親をガン治療の為のクルマで病院まで送迎に行く合間の時間を利用して、朝イチの上映回で鑑賞した『ぼくの名前はズッキーニ』(吹替版)などもあります。

つい先日の2/25(日)も、イオンシネマ京都桂川にて『グレイテスト・ショーマン』のATMOS上映。そして、4度目の来館になる出町座で『勝手にふるえてろ』のセカンド上映をハシゴ鑑賞してきたばかりです。

 

ですが、今回は、それら鑑賞済みの作品を差し置いての記事になりますが、もう、この3/4(日)で、展覧会の開催期間も終了を迎える事もあり、取り急ぎ、先週の2/23(金)に赴いた、京都国立近代美術館にて現在開催中の『ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~』の観覧についての紹介記事を優先させて頂きますが、その点はどうかご容赦願います。

 

●『ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~』京都国立近代美術館

 

 

と言うことで、2/23(金)の朝。

昨年の11/14(火)そして、今年の1/31(水)の2度に亘って、映画『ゴッホ~最期の手紙~』を鑑賞して以来、今回の展覧会は、幸いにも、京都での開催と言うことで、早く行きたくて仕方がなかった念願の『ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~』の観覧に、この日の開館時間の午前9時半直後の午前10時前位に着くように、京都市営地下鉄に乗り、傘寿を過ぎた父親と一緒に、早々と、京都国立近代美術館まで赴きました。

 

 

 

 


 

展示品ゴッホ作品約40点のなかには、『雪景色』、『タラスコンの乗合馬車』、『夾竹桃と本のある静物』、『ポプラ林の中の二人』の4作品が日本初公開とのこと。

 

当然ながら、この4作品は、初見だからか、いずれも一般的にゴッホを印象付ける黄色を主体とした色彩美豊かなタッチの絵とは異なり、これまでのゴッホの絵から受ける印象からかけ離れて、私からすると、あたかも他の画家による絵の様でもありました。

それだけに、私的には、これらの絵は、絵を描く際の精神構造が全く異なっていて平穏な精神状況だったのだろうと推察しました。

 

▲『ポプラ林の中の二人』※今回日本初公開のゴッホの絵のひとつ。

 

 

そして主な展示内容としましては、

①浮世絵を通じて日本に憧れたゴッホ、そして、②そのゴッホに憧れた日本人に視点を当てた企画内容となり、浮世絵、同時代の作家のほか、「ファン・ゴッホを愛した日本人たちの聖地巡礼」と題して、ゴッホから影響を受けた日本画家の作品、約50点も展示されていました。

 

▲「花魁(渓斎英泉による)」※ゴッホによる浮世絵の模写の代表作。

 

 

映画『ゴッホ~最期の手紙~』に登場した肖像画のキャラクターの絵は残念ながら、ゴッホの手による物は、ほぼ1枚も展示されず終いでしたが、日本人画家による手の『タンギー爺さんの肖像』の模写の展示がなされてはいましたが、おそらくその1点のみだったかと思います。

 

▲『タンギー爺さんの肖像』※映画にも登場するフランスの画材商。

 

『タンギー爺さんの肖像』の背景を彩る浮世絵の数々は、そもそもは日本人浮世絵画家をゴッホが模写したものであり、それを再度、今度は日本人画家がゴッホの絵を通して模写するというのも何だか不思議な縁(えにし)を感じましたね。

 

▲このパネルの奥にてダイジェスト番組のビデオを放送していました。

 

また、京都国立近代美術館内の1階フロアーの正面で流されている、約11分間に集約された、NHK制作の「ゴッホ~巡りゆく日本の夢~」のダイジェスト番組を観ると、ゴッホの生涯を改めて知ることが出来るので、必見かと思います。

 

▲京都府のゆるキャラ「まゆまろ」君のフィギアも窓口でお出迎え!!!

 

 

●購入してきた公式図録&グッズ類

 

▲公式図録・表(税込2.000円)

 

▲公式図録・裏

 

▲『画家としての自画像』A4クリアファイル(税込400円)

 

▲「アイリスの咲くアルルの風景」A4クリアファイル(税込400円)

 

▲『夜のカフェテラス』A4クリアファイル(税込400円)

 

▲『ひまわり』A4クリアファイル(税込400円)

 

▲『花魁(渓斎英泉による)』チケットホルダー(税込400円)

 

▲『星月夜』&『星降る夜』ポストカード(税込@160×2)

 

『ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~』は、3月4日(日)迄ですので、観覧希望の御方々は、急いでご観覧下さいませ。

 

中国の春節(旧正月)の時季は、もう過ぎましたので、美術館も、中華圏からの観光客の人の姿も疎らになってきています。

私の様に平日の午前中の開館時間から直ぐの来館ですと比較的に混雑は回避出来るかと思われますので、お早めにご来館なされては如何かと思います。

 

★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。☆。

 

 

●映画『ゴッホ~最期の手紙』日本語版予告編

 

 

◎尚、京都市上京区の映画館・出町座(@demachiza)において、

2/24(土)~3/2(金)<字幕版>、3/3(土)~9(金)<日本語吹替版>の2週間限定ですが、セカンド上映なされていますので、未だご覧になられておられない御方々は、是非ともこの機会に劇場鑑賞なされてば如何かと思います。

 

詳しくは、

→ 出町座:https://demachiza.com/  

☎:075ー203-9862 まで、直接お問い合わせ下さいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『生誕60周年記念 くまのパディントン展』を観覧して来ました。 #美術館えきKYOTO  

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この期に及んで、『羊の木』感想も、未だブログ記事にしていないにも関わらず、昨日に鑑賞してきたばかりですが、かなりの感動をさせてくれた、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』の感想を書きたくて、今でもウズウズしてはおります(笑)。

 

ですが、先ずは、JR京都伊勢丹・美術館「えき」KYOTOにて、現在開催中の『生誕60周年記念・くまのパディントン展』を、2/25(日)に、イオンシネマ京都桂川で『グレイテスト・ショーマン』の字幕版ATMOS上映を観た後、出町座での『勝手にふるえてろ』のセカンド上映を鑑賞に行くまでの合間に、クルマで立ち寄り、夕食前に観覧してきたのですが、この展覧会も、もう直近の明日3/4(日)で開催期間の終了を迎える事になりますので、取り急ぎ、今回もこの展覧会の紹介記事を優先させて頂きますが、その点はどうかご容赦願います。

 

いよいよ、この直近の明日の3/4(日)で閉幕となります。

パディントンのファンの御方々は、JR京都駅方面にご来訪の際には、JR京都伊勢丹・美術館「えき」KYOTOの方にも、是非お立ち寄りなされても如何かと思います。

 

●『生誕60周年記念・くまのパディントン展』JR京都伊勢丹美術館「えき」KYOTO

 

▲単なる偶然か、それとも、生誕60周年の還暦だからか、赤いチャンチャンコならぬ、青色のコートの裏地の赤色のコートの方を纏ったイラスト画がポスターになっています。

 

 

と言うことで、

2/25(日)は、お昼過ぎから、同世代の彼女と一緒に、イオンシネマ京都桂川で『グレイテスト・ショーマン』字幕版ATMOS上映を観た後、直ぐさま、クルマにて、JR京都伊勢丹・美術館「えき」KYOTOに赴き、夕方午後5時前には到着。

 

今回の展覧会の内容としましては、

40以上の言語で翻訳・出版され世界中で愛され続けている児童小説『パディントン』シリーズ。

原作者のマイケル・ボンド氏は残念な事に昨年(2017年)の6月にお亡くなりになられたそうですが、1956年にマイケル・ボンド氏が妻にクリスマスのプレゼントとして贈ったくまのぬいぐるみから始まったパディントンのお話しから換算して、パディントン生誕60周年記念、また91歳で逝去されたボンド氏への哀悼の意を込めた展覧会として、児童書の挿絵でお馴染みのペギー・フォートナム氏をはじめ、絵本のイラスト画のフレッド・バンベリー氏、ディビッド・マッキー氏、ジョン・ロバン氏、R.W.アリー氏の歴代4名の各イラストレーターの絵本などの原画や、アイバー・ウッド氏による新聞(The London Evening News)の4コマ漫画やパペットアニメーション、或いは、様々な世界中で出版された書籍に、ぬいぐるみの数々、生みの親であるマイケル・ボンド氏の仕事道具や貴重なインタビュー映像などによって、世代や性別、国を越えて親しまれるパディントンの魅力について紹介するといった展覧会でした。

 

入口を通過して直ぐのところには、実際のパディントン駅に飾ってある、パディントンの銅像の写真とそのミニチュアが展示してあり、実際のパディントン駅は、日本で言うところの東京都葛飾区の柴又駅のフーテンの寅さんの銅像の様に、皆から愛されている観光名所のひとつにもなっているのだろうと思われ、何だかすごく愛らしかったですね(^^)v

 

▲記念撮影ボード。上の右の挿絵イラスト画を銅像化したものが実際のパディントン駅に飾ってあるそうでした。

 

 

▲上記の本展覧会の案内板にも記載してある通り、午前10時から午後8時まで観覧可能ですので、仮に夕方遅くからでも充分観覧出来ますので、JR京都駅方面のお近くに行かれた際には、是非ともお立ち寄りされるのも如何かと思います。

 

 

私達が赴いた際にも、映画『パディントン2』が、未だ絶賛上映中の為か、休日という事もあるのか夕刻になっても、次々と、女性客やカップルの観覧客を中心に賑わっていました。

 

生誕60周年ともなると、日本の長寿漫画の「サザエさん」の様に、なるべく長谷川町子さん風の同じタッチの画風になるようにすると言う事でもなく、60年間の間に都合歴代4名に亘る各イラストレーターにより、各々の個性に合わせたイラスト画にて描かれて来たみたいですね!

 

▲フレッド・バンベリー氏

 

▲ディビッド・マッキー氏

 

▲左:ジョン・ロバン氏、右:R.W.アリー氏

 

 

▲R.W.アリー氏

 

▲アイバー・ウッド氏による新聞(The London Evening News)の4コマ漫画

 

 

私個人的には、歴代4名のイラストレーターの中では、最近の見慣れた絵本のイラスト画を担当されている、R.W.アリー氏の描くパディントンが好みですね。

 

デイビッド・マッキー氏の描くパディントンの漫画タッチのイラスト画も可愛いですが、毛並みまで丁寧に細部まで書き込まれた挿絵風味のR.W.アリー氏の描くパディントンはクマかネコかもが解らないくらいに可愛く描かれているところが実に良いですよね!

 

数々のぬいぐるみや世界中で出版された書籍など数多く展示されていましたが、パペットアニメーションの声(英語)が、やはり大人の声で、映画『パディントン』でのベン・ウィショーによる声の出演と同じ様に、ついつい子グマということを忘れてしまいそうになりましたね(苦笑)。

 

 

 

●公式図録&グッズ類

 

▲公式図録&トートバッグのセット(@2.700+税)

 

▲チケットマルチホルダー(@400+税)

 

▲チケットマルチホルダー(@400+税)

 

▲A4クリアファイル(@400+税)

 

▲A4クリアファイル(@400+税)

 

 

 

▲ダブルA4クリアファイル(@650+税)

 

▲京都文化博物館「ターナー風景の詩」展とのコラボのA4クリアファイル(@400+税)

 

▲同じく「ターナー風景の詩」展とのコラボのA4クリアファイル(@400+税)

 

絵葉書(ポストカード)は、お目当てのR.W.アリー氏のイラスト画の物が、全て品切れ状態でしたので、ディビッド・マッキー氏の描いたものと、アイバー・ウッド氏の4コマ漫画。ジョン・ロバン氏のイラスト画などを購入。

 

▲デイビッド・マッキー氏のイラスト画ポストカード(@100×2+税)

 

▲アイバー・ウッド氏の4コマ漫画のポストカード(@100×2+税)

 

▲ジョン・ロバン氏のイラスト画のポストカード(@100+税)

 

▲パペットアニメーションの『パディントン』のポストカード(@100+税)

 

R.W.アリー氏のイラスト画のグッズ類がほぼ全て品切れ状態だったので、逆に、他のイラスト作家のグッズをかなりの数を購入し、ついついこの展覧会のグッズ類のみで、クルマの駐車場代が軽く余裕で2時間無料サービスになるくらいのお買い物をして、見事に散財してしまったのでした(汗)。

 

※尚、JR京都伊勢丹のJR京都駅タイムズ駐車場は、5.000円以上の買い物で2時間無料サービスとなっています。

 

それにしても『ゴッホ展』と併せても、A4クリアファイルがどれだけ好きやねん(?)って皆さんからもご指摘を受けそうなくらいに購入してしまいましたので、今後は、猛省せねば!!!

 

 

●『生誕60周年記念くまのパディントン展』JR京都伊勢丹美術館「えき」KYOTO・TVスポットCM

 

 

 

★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。☆。

 

自分が蒔いた種だったとは言え、SNS上では、最近、かなり傷付く事もあったりしましたが、「人生、苦あれば楽あり!」「パディントンの様に、相手の良いところばかりを見付けようとする姿勢を見習えば、きっと良い事があるはず・・・。」と思っていたら、なんと『パディントン2』の<おかえりパディントン>のTwitterキャンペーンに見事に当選(^^)v

 

 

 

 

▲『パディントン2』Twitterキャンペーン景品:ステッカー&ピンバッジ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。


『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017年) #アカデミー賞 #作品賞 #ギレルモ・デル・トロ

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未だブログ記事化していない鑑賞済みの作品が他に5本もあるにも関わらず、取り急ぎ、今作品のブログ記事を書きたくてウズウズしていましたが、昨日の日本時間3/5(月)に開催された、第90回アカデミー賞授賞式の結果を知ってから書こうと思っていました。

 

 

そのアカデミー賞ですが、本作品は、2017年にヴェネチア映画祭で金獅子賞という最高賞に輝いてはいたものの、アカデミー賞自体は、過去の89回の歴史において作品賞のオスカー獲得の作品の傾向としては、社会派ドラマや実話ドラマ重視で、過去には一度も、SFやモンスター映画が作品賞を受賞した実績がない中、今年は『スリー・ビルボード』か若しくは『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が作品賞を受賞するのが順当であり、万が一良くてもギレルモ・デル・トロ監督の監督賞の受賞くらいかと思っていました。

 

 

 

 

ところが、アカデミー協会会員の良心が働いたのか、画期的な結果を生み、なんと、ギレルモ・デル・トロ監督の監督賞のみならず、まさかの半魚人によるモンスター映画であるにも関わらず、作品賞の受賞という快挙!おまけに美術賞、作曲賞も受賞し、最多4冠という結果。

 

 

ギレルモ・デル・トロ監督!そして「シェイプ・オブ・ウォーター」の製作に関わったスタッフ、キャストの皆さん。製作・配給の20世紀フォックスサーチライト社さん。この度は、本当におめでとうございます!

 

▲『スリー・ビルボード』と本作のアカデミー賞作品賞などを争った両作品ともに、20世紀フォックスサーチライト社が製作・配給されている点も凄いですよね!

 

 

「孤独な女性清掃員と半魚人との恋愛譚(18.3/2・字幕版)」

ジャンル:SF/ラブ・ストーリー

原題:THE SHAPE OF WATER

製作年/国:2017年/アメリカ

配給:20世紀フォックス映画

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/

上映時間:124分

公開日:2018年3月1日(木)

監督:ギレルモ・デル・トロ

キャスト:

サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョー^ンズ、マイケル・スタールバーグ、オクタヴィア・スペンサー

 

R-15+

 

 

 

【解説】

「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロが監督・脚本・製作を手がけ、2017年・第74回ベネチア国際映画祭の金獅子賞、第90回アカデミー賞の作品賞ほか4部門を受賞したファンタジーラブストーリー。

1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。

イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。

幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。

そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。

「ブルージャスミン」のサリー・ホーキンスがイライザ役で主演を務め、イライザを支える友人役に「ドリーム」のオクタヴィア・スペンサーと「扉をたたく人」のリチャード・ジェンキンス、イライザと“彼”を追い詰める軍人ストリックランド役に「マン・オブ・スティール」のマイケル・シャノン。

 

第90回アカデミー賞では同年最多の全13部門にノミネートされ、作品、監督、美術、音楽の4部門を受賞した。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

公開2日目の3/2(金)に、滋賀県草津市のイオンシネマ草津にて、傘寿(80歳)を過ぎた父親と一緒に、『空海KU-KAI』を観るのを変更し、ひと先ず、予てからの大ファンのギレルモ・デル・トロ監督のアカデミー賞最有力候補作の本作品を鑑賞。

 

 

 

 

『パンズ・ラビリンス』や『ヘルボーイ』シリーズなどのギレルモ・デル・トロ監督らしく異形愛溢れるダークファンタジックな半魚人という異形のモンスターと孤独な女性とによるラブ・ストーリー。

 

 

ギレルモ・デル・トロ監督流にアレンジしつつ、『美女と野獣』や『ノートルダムの鐘』の様な異形の男性と、社会から孤立した女性との繋がりを描きながら、決して、ディズニー映画の様に、単なる綺麗事に終わることなく、ディズニー映画では描けない、謂わばアンチテーゼである<大人のお伽話>として、大人の女性の自慰行為の描写などをはじめ性欲の描写についてもしっかりと触れている点も好感が持てました。

 

 

その意味合いでも、毎朝の日課の様な女性の自慰行為のシーンや、軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)のSEXシーンにボカシを入れてでも、たとえR-15指定のレイティング規制を受けてでも、アクセントとして必要不可欠な生々しい描写だったのかも知れないですね。

 

そもそもはR-18指定の、所謂、18禁の作品だったところを、興行的な事も勘案し、SEXシーンにボカシを入れる事により、R-15指定のレイティング規制に収まったらしいのですが、ボカシ部分は単にマイケル・シャノンのオッサンのケツに白いボカシを入れているだけで、作品の質自体を落とすこともなく済んだと思われました。

 

※ただ、そう言う意味合いでは、こういった性描写のシーンも大なり小なり3箇所ほどありますので、未だ15歳を過ぎたばかりのお子さんとご一緒での鑑賞は、かなり気まずい雰囲気になること間違いないので、その点は、要注意かも知れないですね。

 

 

またヒロイン自身も若くもなく、また取り立てて美人でもないという点も共感を呼ぶ設定となっていたかと思いましたね。

 

▲『ヘルボーイ2/ゴールデン・アーミー』の水棲人エイブ・サビエン

 

もちろん、本作のインスピレーションの大元は、モンスター映画『大アマゾンの半魚人』(1954年)というのは明らかですが、『ヘルボーイ2/ゴールデン・アーミー』(2008年)にて水棲人エイブ・サピエンの恋物語を描いた時に既にこの構想が部分的にも具現化していたのかも知れないですね。

 

 

 

 

また、異種間の恋愛譚は今の時代をよく反映しています。

この異種間の愛情もそうですが、<彼>の生命を救おうと協力し合う仲間が、主役の失語症の女性(障碍者)、同僚の黒人女性、友人の同性愛者(ゲイ)、そしてユダヤ人の科学者といった、謂わば、社会的に虐げられている人達というのも、人種差別が横行し、右傾化していく現代社会への警鐘とでも垣間見られる事からしても、今回、米ソの冷戦時代の1962年を舞台設定にしたのは的確だったとも言えるでしょう。

 

 

 

 

異形愛、怪獣愛、映画愛、音楽愛などと言った抽象的な解釈で申し訳ありませんが、様々な要素が詰め込まれた作品であり、観ていて飽きが来なかったですね。

 

 

ダークファンタジックな恋愛譚でありながら、コメディな要素やミュージカル的な側面さえも持ち合わせる実に欲張りな映画。

 

 

 

当初のおぞましい半魚人がやがてはイケメン風にも見えて来る映像マジックは、ギレルモ・デル・トロ監督自身が、撮影の度に、女性受けする様なクリーチャーへと特殊メイキャップに徐々に変更を加えていった成果らしく、本当に異形愛・怪獣愛に溢れる監督だとつくづく感じさせられましたね。

 

また、それに併せるが如く、当初は、単なる女性清掃員としか見えなかったイライザ役のサリー・ホーキンスが、徐々に魅力的な女性にも見えて来るのも不思議なものでしたね。

 

 

 

 

 

また異種間の愛を繋ぐコミュニケーション手段に<手話>を用いた演出も素晴らしいアイデアでしたね。

会話に何不自由のないはずの軍部や研究者たちの風通しの悪さは何よりも滑稽で、対比して観るのも面白かったですね。

 

 

 

 

何よりも俳優陣が全員演技が達者で驚かされました。

台詞がない表情と仕草のみで演技しなければいけない難しい役どころを演じ切ったイライザ役のサリー・ホーキンスは当然ながら、いつも様々な作品の中で、誰かをサポートする黒人女性の役柄としても蔭ながら協力してくれる役どころとして今作でもゼルダ役のオクタヴィア・スペンサーや、隣人で同性愛者ゲイの画家ジャイルズ役のリチャード・ジェンキンスといった名脇役の存在感も流石でした。

 

 

 

また加えて、マイケル・シャノンが、軍人ストリックランド役として徹底したヒール役を演じているのも今作の見所でもあるかも知れないくらいの迫力の演技でした。

 

そして、何よりも『ヘルボーイ』シリーズで水棲人エイブ・サビエン役も演じたダグ・ジョーンズが演じる半魚人のコスチュームを着用しての特殊メイキャップによる、実に愛おしく見える演技も見所のひとつでしたね。

 

 

 

映画の内容的には、見方によっては、ご都合主義的にも感じなくもないですが、ギレルモ・デル・トロ監督でなければ描けなかったであろう世界観には感服する他ないですね。

 

 

『シェイプ・オブ・ウォーター(=水のかたち)』とは、水は容器の形によって柔軟にその姿を変える。カチンコチンに固まっている物は自らの形状を容易には変えることは出来ないとの、謂わば、思考の柔軟性を説いたメッセージを込めたタイトルなのかも知れないですね。

 

私的な評価と致しましては、

ギレルモ・デル・トロ監督の異形への愛情溢れたラブ・ストーリー的な作品であるばかりでなく、監督の映画愛、音楽愛などあらゆる要素を詰め込み、更に、所謂、米ソの冷戦当時から社会的に虐げられて来た人達に対する人種差別感が横行し右傾化していく現代社会への警鐘や批判をも込めた作品にもなっており、その独特なダークファンタジックな世界観を駆使して描写している点も素晴らしいと思いました。

 

従いまして、やや贔屓目に見ている面もありますが、五つ星評価的には、文句なしの★★★★★(100点)満点評価の五つ星に値する評価が相応しい作品かと思いました次第です。

 

ただ、第90回アカデミー賞の受賞という栄誉とは関係なく、贔屓目に見ている面もありますが、本当に素晴らしい出来栄えの映画かと思いましたので、是非とも多くの御方々に観て頂きたい作品です!

 

●『シェイプ・オブ・ウォーター』日本版予告編

 

 

 

★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。☆。

 

●第90回アカデミー賞授賞式の受賞結果

 

 

 

◎日本人初のメイクアップ&ヘアスタイリング賞の受賞

 

 

『ウインストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のチャーチル英国首相役のゲイリー・オールドマンの特殊メイキャップを担当した、辻一弘さん(京都府京都市出身・1969年生まれ=48歳)が3度目のノミネートで初のオスカーを手にされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『羊の木』(2018年) #イオンシネマ京都桂川 #吉田大八 #錦戸亮 #松田龍平 #木村文乃

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約1ヶ月少し前の公開2日目の2/4(日)に、イオンシネマ京都桂川にて、『スリー・ビルボード』とハシゴ鑑賞した、邦画『羊の木』について、ようやくながらですが記事にさせて頂きたいと思います。

 

もう既に、先日の3/9(金)を以て上映終了しているシネコンも多い事かとは思いますので、今更ながらブログ記事化する必要もないかも知れないですが、あくまでも私の備忘録的に記録に残させて頂こうかと思います。

 

 

「息つくのを忘れるほどの不穏な空気感・緊張感の連続(18.2/4)」

ジャンル:サスペンス

製作年/国:2018年/日本

配給:アスミック・エース

公式サイト:http://hitsujinoki-movie.com/

上映時間:126分

公開日:2018年2月3日(土)

監督:吉田大八

キャスト:

錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中珉、松田龍平、中村有志、安藤玉恵、細田善彦、北見敏之、松尾諭、山口美也子、鈴木晋介、深水三章

 

 

【解説】

「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督が錦戸亮を主演に迎え、山上たつひこ原作・いがらしみきお作画の同名コミックを実写映画化したヒューマンミステリー。

寂れた港町・魚深にそれぞれ移住して来た6人の男女。

彼らの受け入れを担当することになった市役所職員・月末は、これが過疎問題を解決するために町が身元引受人となって元受刑者を受け入れる、国家の極秘プロジェクトだと知る。

月末や町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は明かされなかったが、やがて月末は、6人全員が元殺人犯だという事実を知ってしまう。

そんな中、港で起きた死亡事故をきっかけに、町の住人たちと6人の運命が交錯しはじめる。

月末の同級生・文役に木村文乃、6人の元殺人犯役に北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平と実力派キャストが集結。「クヒオ大佐」の香川まさひとが脚本を手がける。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

「過疎化が進む魚深市にやってきたのは、6人の元殺人犯だった。」

 

今作を観る際の事前情報は、再三、劇場での予告編で観た、ただそれだけでした。

過疎化が進む北陸のとある市町村の過疎対策と元受刑者の社会復帰とを同時に叶える行政施策としては、一見すると、まさに一石二鳥の計画かと思えました。

 

 

しかし、「この人たちは殺人を犯したことがある。」という情報だけで、これほどまでに人は恐怖を感じてしまうのかと正直驚かされました。

決して目の前で人を殺害しているのを見た訳ではないし、もしかしたら冤罪の可能性だってあるはず。

 

 

それでも、元殺人犯という情報だけで「この人はもしかしたらまた何か大変なことをしでかすかもしれない」という不穏な空気感や緊張感を生むといった演出の仕方が実に巧みだと感じました。

 

 

少し<普通>とは違うかも知れないという<違和感>が至る所に散りばめられていて、不安を煽って来る。

約2時間ずっと手に汗握る展開は、その恐怖感の源泉が<偏見>や<思い込み>によって生み出されているのかも知れないと考えると余計に不気味に感じてしまいます。

 

 

元受刑者役の俳優陣の方々は、台詞自体もそんなにも多くないのに、表情や仕草などで、不気味で怪しい雰囲気を醸し出していたり、彼ら一人一人が何かを抱えているのが伝わってくるので、この<違和感>を絶妙に演じていて本当に凄いと感じました。

 

 

そんな個性の強い人達の中で、過去の映画出演作品の『県庁おもてなし課』(2013年)での高知県の県庁職員役で好演された実績や、得意のギターの腕前を買われての起用だったのかも知れないですが、ごく<普通>の<平凡>な市役所職員の月末一(つきすえ・はじめ)役として、錦戸亮さんもその存在が埋もれる事もなく、ごく自然体風に演じてられていて、素晴らしかったと思いました。

 

 

市役所職員として、また、パーソナルな面、いち個人的な市民的な関わりという点においても、月末が感じる元受刑者達に対する心情も、しっかりと表現されていたと思いました。

 

 

▲※尚、映画のポスターやリーフレットには、左上に、木村文乃さんの写真も一堂の中に大きく載っていますが、木村文乃さん演じる石田文役は、月末役の錦戸亮さんの同級生役というだけで、決して元受刑者の殺人犯の一人ではありませんので勘違いの無きように(笑)。

 

 

 

元受刑者の中では、杉山役演じる、北村一輝さんが、同時期に公開中の『今夜、ロマンス劇場で』でのコミカルな看板俳優の役どころとは180度異なる、何かを企むような怪しい役柄を演じられており、何かが起こるのではないかとハラハラドキドキさせられました。

 

 

 

そんな中、特に、宮越役の松田龍平さんが、その独特な、死んだ魚の様な目をして、昨年公開の『散歩する侵略者』の時の様に、一体何を考えているのか解らないという様な不穏な空気感を色濃く醸し出していて凄かったでした。

 

▲主役の月末一の父親・月末亮介役の北見敏之さんは実に役得でしたね。

 

 

また、元女性受刑者の太田理江子役の優香さんが、信じられない位に艶っぽくて、本当に、エッチくさい、エロい演技を魅せてくれて驚かされましたね。

 

 

当初は原作漫画ありきとは全く知らなかったのですが、映画鑑賞後に、元受刑者役が原作では11人のところを6人にまで絞った点は良かったとも思ったのですが、大野役演じる田中珉さんとクリーニング店・店主役の安藤玉恵さんや、福元役の水澤紳吾さんと理髪店・店主役の中村有志さんのパートなどは良い逸話として機能していましたが、栗本清美役の市川実日子さんに至っては、謎っぽいシャーマニズム信奉者的な存在としての役割以外に機能していないのが勿体なかったかも。

 

 

 

 

ですので、もう少し元受刑者達の過去や現在の心情が深く描かれていると良かったとも思える反面、しかしながら、浅くしか解らないからこそ、一体何を考えているのか解らないという恐怖感を醸し出している点が逆に奏功した作品だったのかも知れないとも思えました。

 

サスペンスなので、絶対に何か不測の事態が起こるのは当然解ってはいましたが、後半は本当に衝撃的な展開で圧倒されましたね。

 

 

冒頭に映し出される<羊の木>の東タタール旅行記の一節にせよ、或いは、何故に6人の元受刑者に対して、羊の木の絵の中の木に生っている羊は5匹なのかなど、宗教的な知識の素養があればもっと深く観る事も出来たのかも知れないですが、それは特段に興味の範囲外ですので、解らぬままでも良いかと思っています。

 

 

宗教的な知識については難しい事は解りませんが、日本が誇る、あの世界的なアイドルの<きゃりーぱみゅぱみゅ>も面白かったと絶賛している位の作品ですから、私も面白い映画だと思います(苦笑)。

 

 

<のろろ祭り>という架空の奇祭もおどろおどろしくて気味が悪かったのも相俟って、得も言われぬ恐怖感も高まる一方だったのですが、この奇祭も、あの様なオチの付け方の為には必要不可欠だったのかも知れないですね。

 

 

私の場合には、エンディングロールの最後の最後で、あのギャグ漫画「がきデカ」の山上たつひこ先生と、漫画「ぼのぼの」の、いがらしみきお先生による漫画が原作だったのを知った次第でしたので、そもそも原作ありきの作品とは知らなかったので、本当に良く出来た映画だと感心して観ていました。

 

私的な評価と致しましては、

この映画も、同じ日に鑑賞をした『スリー・ビルボード』と同様に<赦し>も主題のひとつにした作品だとは思うのですが、第90回アカデミー賞を争った『スリー・ビルボード』よりも、この邦画の作品の方が私的には面白かったですし、そもそも原作ありきの作品ですが、長編の原作漫画の内容を大幅に改変した上で、最後まで緊張感を持って観る事が出来ましたので、五つ星評価的にも四つ星半の★★★★☆(90点)も相応しい作品かと評価する次第です。

 

●映画『羊の木』予告編

 

 

 

 

▲目黒役の故・深水三章さん(左)と杉山役の北村一輝さん。

 

※尚、この作品が、名脇役の深水三章さんの遺作になられたとの事。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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この度、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」みんなの感想キャンペーンにも、見事当選しました。

今回も、ウォルト・ディズニー・ジャパンさん。

抽選に当選させて下さり本当に有り難うございました。

幸い、TシャツはLサイズでちょうど良い寸法ですので、早速、部屋着に使用させて頂きますね(^^)v

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『デトロイト』(2017年) #TOHOシネマズ二条 #キャスリン・ビグロー #ジョン・ボイエガ

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今から1ヶ月も前に鑑賞した映画で、しかも公開後の観客動員数が少なくて早期に上映終了した作品ですが、本作品「デトロイト」は、社会派ドラマとして、とても素晴らしい映画でしたので、今更ながらにはなりますが、個人的にも備忘録的にブログ記事として記録に留めておきたいと思います。

 

今からちょうど1ヶ月前、バレンタインデーの翌日の2/15(木)。

この時分、TOHOシネマズ二条では、既に公開後からの観客動員がイマイチだったためか1日1回のみの上映。それも夜9時からのレイトショーのみの上映でしたが、彼女が平日に仕事を終えて一緒に観に行ける時間帯を考えると、ちょうど都合の良い上映スケジュールでしたので、鑑賞に出向きました。

デートムービーには不向きな作品でしたが、厭な顔も見せずに一緒に観に行ってくれた彼女には唯々感謝!!!

 

▲上記の映画ポスターの謳い文句にありますように、本当に、アカデミー賞にて、あの『ハート・ロッカー』以来の女性監督による二度目の監督賞を最有力で受賞するかと思うほどの佳作でしたので、アカデミー賞にどの部門も一切ノミネートされていないのが嘘であるかの様な位に素晴らしい出来栄えの映画でした。

 

 

「戦争映画のような手に汗握る戦慄の40分間(18.2/15・字幕)」

ジャンル:人間ドラマ

原題:DETROIT

製作年/国:2017年/アメリカ

配給:ロングライド

公式サイト:http://www.longride.jp/detroit/

上映時間:142分

公開日:2018年1月26日(金)

監督:キャスリン・ビグロー

キャスト:

ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、ジャック・レイナー、ベン・オトゥール、オースティン・エベール、ジョン・クラシンスキー、アルジー・スミス、アンソニー・マッキー、ジェイソン・ミッチェル、ジェイコブ・ラティモア、ハンナ・マリー、ケイトリン・デヴァー、ネイサン・ディヴィス・ジュニア、ペイトン・アレックス・スミス、マルコム・デヴィッド・ケリー

 

 

【解説】

「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー監督が、黒人たちの不満が爆発して起こった1967年のデトロイト暴動と、その暴動の最中に殺人にまで発展した白人警官による黒人たちへの不当な尋問の様子をリアリティを追求して描いた社会派実録ドラマ。

 

1967年、夏のミシガン州デトロイト。権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、暴動が発生。3日目の夜、若い黒人客たちでにぎわうアルジェ・モーテルの一室から銃声が響く。

デトロイト市警やミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊たちが、ピストルの捜索、押収のためモーテルに押しかけ、数人の白人警官が捜査手順を無視し、宿泊客たちを脅迫。

誰彼構わずに自白を強要する不当な強制尋問を展開していく。

 

出演は「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のジョン・ボイエガ、「レヴェナント・蘇えりし者」のウィル・ポールター、「トランスフォーマー/ロストエイジ」のジャック・レイナー、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のアンソニー・マッキーら。

脚本は「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」も手がけたマーク・ボール。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

映画の内容的には、ちょうど昨年がこの事件から50年前の節目の年に相当する、1967年の米国のデトロイトで黒人の不満が爆発して起こった最大規模の暴動の最中に、それに乗じて行われた、まさに<戦慄の一夜>とも言える程の白人警官による黒人たちへの不当な尋問により殺人にまで発展した<アルジェ・モーテル事件>を基にした作品です。

 

 

この1967年の所謂、デトロイト騒動に代表されるアメリカの人種差別の闇の歴史に焦点を当てた社会派ドラマを、社会派映画の旗手たる、キャスリン・ビグロー監督がリアルな描写で臨場感たっぷりの演出により『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』でも組んだ脚本家マーク・ボールと三度目のコラボ作品として、手掛けられた作品でしたが、Twitterのツイートやクチコミ投稿サイトの各レビューにもある様に、非常に緊張感が張り詰める、重苦しい映画ではありましたが、予想外に、この事件の被害者でもある、ザ・ドラマティックスというモータウンミュージックのグループのリードボーカルのラリー役のアルジー・スミスが叫び歌う賛美歌などが非常に上手くて、奏でられる旋律など劇伴が凄く良くて、単なるドキュメンタリー映画的な再現フィルム映画とは異なり、その点は、飽きが来ずに観る事が出来たので救われましたね。

 

 

アメリカの闇の歴史として、黒人差別というと、ついアメリカ南部という印象がどうしても強いのですが、実際には南北戦争のあと南部方面から北部に流れてきた黒人のみならず、第一次大戦後に、黒人らの多くの人々が職を求めてこの街デトロイトに流入してきた歴史があるらしいです。

今作品の冒頭でも、テロップと紙芝居っぽいアニメーションでそういった経緯を説明してくれますが、詳細については、パンフレットの解説文が詳しく教えてくれるので、パンフレットがもしも手に入る様であれば、出来ますれば、是非購入するなど目を通して下されば、より深くアメリカにおける黒人差別の構図が理解出来ることかと思います。

 

 

映画でも、冒頭に街の中心部に住む白人が郊外に逃げ出したという状況を簡単に述べていましたが、これは、単に、デトロイトだけの現象ではなく、アメリカの大都会では労働者階級が主に住む地域と、中産階級・上流階級層が住む住宅地が分かれている場合が多く、それは謂わば、白人と黒人だけの問題でもなく、中産・上流階級層のアングロサクソン系プロテスタントの住宅地と、貧しい労働者階級であるアイルランド系カトリックの住む地域がハッキリと分かれている様に、特に、母国で英国人の差別に晒されてきたアイルランド系の移民の間では取り分け、この黒人差別が盛んだったらしく、差別されている者が更に差別を生むと言った悪循環を繰り返していた様ですね。

 

 

もっとも、差別される理由をすべて白人のせいして良いものか否かも、差別するのも「卵が先かニワトリが先か」という議論にもなるかも知れないですが、差別される側にもそれなりに問題の引き金になる場合もあり得ます。

 

例えば、この映画がメインに描いているデトロイト市警の白人警官による極めて差別的悪質的な黒人らへの取り調べにしても、そもそも論からすれば、最初は、黒人が運動会用のスターターの銃(だから音はすれども弾は出ない。当然ながら人を殺傷する能力もない。)を、白人警官が集結している最中の闇夜に向かって撃つという挑発的な行為をしたことが発端となっており、この辺りは、率直に言っても黒人側もバカとしか言いようがない気がしました。

 

 

また、映画の中でも、デトロイトで暴動が起きた初期には、暴徒化した黒人たちを諫めようとする黒人の下院議員が出て来ましたが、いくら暴動を起こしても良い結果には繋がらないと諭しても、黒人たちは聞く耳を持ちませんでしたし、理性を失ってしまって手の付けようがない始末。

 

 

とは言え、本作では、1967年のデトロイト騒動の黒人による暴動そのものにスポットを当てるのではなく、この騒動に乗じた、その後のデトロイト市警の白人警官の異常な対応自体が、その黒人たちを遥かに超えた代物であり、<狂気>に満ちた<ゲーム感覚>による殺人をも伴う尋問であり、決してあってはならない所業であることは確かであり、まさしく不当な犯罪行為に他ならないですから。

ここに描かれていることが全て真実ならば、すごく恐ろしい話だと思わざるを得ないし、各俳優陣の迫真の演技で、本当に現在ここで起こっている出来事かの様な錯覚を起こす程でしたので尚更でした。

 

 

また、この事件で特徴的なのは、今回の事件には白人の若い女性が二人も巻き込まれており、彼女たち自体は黒人に対する差別意識を持っていないのに、と言うか、持っていないからこそ白人警官から憎悪の対象とされ、黒人と一緒に過酷な取り調べを受けざるを得ないのでした。

 

 

 

そう言えば、近年でも、ミシガン州ではなくカリフォルニア州の話ですが、丸腰の22歳の黒人青年を射殺した白人の鉄道警察官の事件である<オスカー・グラント三世射殺事件>を基にした『フルートベール駅で』(2013年)という映画もありましたが、半世紀前にも、似たような事件が起きていた事からすれば、現在の黒人社会が白人社会に反発するのも無理からぬ歴史を感じます。

 

▲『フルートベール駅で』(2013年)

 

米国のデトロイトというと、モータウンミュージックに自動車産業で栄えた街という印象が浮かび、そして現在は荒廃して治安の悪さで有名な都市のひとつになっています。

たしか、映画『ロボコップ』も近未来の荒廃したデトロイトが舞台。

 

 

今でもデトロイトは人種差別が色濃く残る街ですが、1960年代当時は、更に酷く白人と黒人間の軋轢は一触即発状態でした。

 

 

 

これまた些細な事を切っ掛けに暴動に発展する様子がスリリングに描き出され、戦車まで出動し、荒廃した街はまるで内戦状態。

 

 

これが、人類を月面着陸させようと計画していた当時の1960年代後半のアメリカの姿なのかと愕然となってしまいました。

 

 

延々と約40分にも及ぶ、<ゲーム感覚>の様な<狂気>の尋問シーンの真に迫る様子は、お芝居と分かっていても、それをも忘れてしまうほど手に汗握る状態。

 

 

白人警官と被害者の双方から白眼視されながらも、その間に立つ難役を『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のフィン役でも知られるジョン・ボイエガが好演。

キャスリン・ビグロー監督、脚本家マーク・ボールは、ちゃんとこういった人物も用意している辺りも素晴らしかったですね。

 

 

そして、問題の差別主義者の白人警官クラウス(仮名)役を、『リトル・ランボーズ』(2007年)でもヤンチャ坊主役でデビューした、ウィル・ポールターが、ちょっとした仕草や目つきで上手く憎々しい役柄を演じ切っていました。

尋問する白人警官にしても尋問される側の被害者にしても、いずれのキャラクターにも人間らしい多面性を持たせる事で、深みのあるドラマに仕立て上げた脚本家、そして、それを演出した監督の手腕は見事でした。

 

 

この映画では、<アルジェ・モーテル事件>の後の裁判の模様まで、その顛末をも時系列に描き出しています。

クライマックスの事件現場シーンを超えている分、何となく長く感じることから、裁判シーンから現場を再現していくという、例えば、映画『女神の見えざる手』(2017年)の描写の様なオーソドックスな手法も考えられるのかも知れないですが、事件の顛末が最後まで見えない方が、より面白いでしょうし、当時の裁判所の下す判断にも問題意識が芽生えるでしょうし、時系列で良かったと私は思いました。

 

 

 

 

私的な評価と致しましては、

正直なところ、胸クソ悪くて、二度と観たくなくなる様な、142分間ですが、一方では、絶対に目を逸らしてはならない使命感の様な感情も湧き上がって来る作品であり、ザ・ドラマティックスというモータウンミュージックのグループの元ボーカルの歌声を中心に、劇伴が凄く良かったのも長時間の緊張感をほぐす良い潤滑油になっていたと思いましたし、各キャストの迫真の演技によって、単なるドキュメンタリー映画や再現フィルムとは一線を画す作品に仕上がっていたと思いました。

従いまして、五つ星評価的にも、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の四つ星半の評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

 

●映画『デトロイト』日本版予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京都市内近郊にお住まいの御方々に朗報です♡

【京都シネマ名画リレー上映会】にて、4/28~5/11のGW期間中に、午前10時10分より、この「デトロイト」もセカンド上映して下さるそうなので観逃された御方々は是非ご覧下さればと思います次第です。

 

※でも、京都シネマさんには、公開予定の新作映画も出来る限り、いち早く公開して下さることを願っています(汗)。

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』(2016年) #MOVIX京都 #MAUDIE

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未だブログ記事化していない今年に鑑賞済みの映画が、『ぼくの名前はズッキーニ』、『グレイテスト・ショーマン』、『勝手にふるえてろ』、『ブラックパンサー』、『リメンバー・ミー』と、この『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』の計6本あるのですが、これらの映画は、何れもなかなかの佳作揃いだったのですが、その中でも、とりわけ、この『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』は、あの本年度・第90回アカデミー賞作品賞の『シェイプ・オブ・ウォーター』のヒロインの中年女性イライザ役を演じたサリー・ホーキンスが、カナダで最も有名な女性画家のモード・ルイスの半生を演じ、また、夫エベレット(イーサン・ホーク)との夫婦二人の二人三脚で慎ましやかに歳月を重ねていくといった夫婦の生活の在り方が、実に共感を呼ぶ感動作でした。

 

そこで、是非とも多くの映画ファンの皆様方にも、この映画の存在を知って頂きたく思い立ち、私が鑑賞した作品の順序とは前後しますが、今回、取り急ぎ、ご紹介させて頂く次第です。

 

取りあえず、先ずは、この『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』の邦題に付属している副題が、あまりにも無駄に長いので(苦笑)、以下、『しあわせの絵の具』という表記に省略させて頂き、次より本作品について紹介致します。

 

 

「身の丈に合った生活のみで幸せに満ちた半生(18.3/17・字幕)」

ジャンル:人間ドラマ

原題:MAUDIE

製作年/国:2016年/カナダ=アイルランド

配給:松竹

公式サイト:http://shiawase-enogu.jp/

上映時間:116分

公開日:2018年3月3日(土)

監督:アシュリング・ウォルシュ

キャスト:

サリー・ホーキンス、イーサン・ホーク、カリ・マチェット、ガブリエル・ローズ、ザカリー・ベネット、ビリー・マクレラン

 

 

【解説】

カナダの女性画家モード・ルイスと彼女の夫の半生を、「ブルージャスミン」のサリー・ホーキンスと「6才のボクが、大人になるまで。」のイーサン・ホークの共演で描いた人間ドラマ。

 

カナダ東部の小さな町で叔母と暮らすモードは、買い物中に見かけた家政婦募集の広告を貼り出したエベレットに興味を抱き、彼が暮らす町外れの小屋に押しかける。

子どもの頃から重度のリウマチを患っているモード。

孤児院育ちで学もないエベレット。

そんな2人の同居生活はトラブルの連続だったが、はみ出し者の2人は互いを認め合い、結婚する。

そしてある時、魚の行商を営むエベレットの顧客であるサンドラが2人の家を訪れる。モードが部屋の壁に描いたニワトリの絵を見て、モードの絵の才能を見抜いたサンドラは、絵の制作を依頼。

やがてモードの絵は評判を呼び、アメリカのニクソン大統領から依頼が来るまでになるが……。

 

監督はドラマ「荊の城」を手がけたアシュリング・ウォルシュ。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

カナダで風景や身近な動物や草花を素朴なタッチで描いた、所謂、素朴派の女流画家モード・ルイス(1903年生~1970年没)の伝記映画。

重度の若年性関節リウマチのせいで手足の自由が制限されてしまっていたモードが、自立して、やがて好きで我流で描いていた絵の評価を得られていく過程などを、あくまでも夫エベレットと夫婦二人三脚で過ごした<日常>に照らして丁寧に描いた作品。

 

 

 

主演のサリー・ホーキンスのモード役への成り切りぶりが素晴らしく、『パディントン』シリーズのブラウン夫人役に、『シェイプ・オブ・ウォーター』のヒロインの中年女性イライザ役と話題作への出演が続いていますが、中でも女優としての演技力が活かされているのは、特に本作品かと思わさせられるほどの熱演でしたね。

 

 

絵本作家の両親を持ち、サリー・ホーキンス自身もイラストレーター志望だったこともあってか、この映画の撮影に際し、改めて、役作りのために素朴派画家の絵画クラスに数ヶ月間通ったらしく、流石にモードの本物の絵画には及ばないまでも劇中にサリー・ホーキンスが描いた絵画も、本物の絵画にかなり似せてきていましたし、この絵柄には、サリー・ホーキンスに乗り移ったモード・ルイスの人柄が出て来ているかの様でもあり好感が持てましたね。

 

 

子どもの頃から重いリウマチという手足に障碍を患い、一族から厄介者扱いされてきたモード。

孤児院で育ち、学もなく、生きるのに精一杯だったエベレット。

そんなはみ出し者同士の二人は穏やかに、時に衝突しながら日々を歩んでいくのでした。

 

 

サリー・ホーキンス演じるモード役もさることながら、無骨で感情表現が不器用で朴訥な、のちに夫となるエベレット役を演じたイーサン・ホークも味わい深い演技で非常に良かったでした。

 

 

戦前生まれの昔気質の男の人の性格だからと言っても、粗暴で男尊女卑なところは、この二人を見ていて本当にヒヤヒヤして心臓に悪かったですし、エベレットが飼っている地鶏の首を締めて勝手にシチューの具材にした時など、エベレットが怒り出すのではないかと心配になりましたし、空いた魚の缶詰をパレット代わりにペンキで絵を描いていくモードが、当初は紙や板に。次第にリビングの壁、階段にまで絵を描いていった際も、エベレットの反応が気懸かりで、ついつい随分と肝を冷やしてしまいました。

 

 

「ここではオレに従うんだ!ボスはオレだ!」と怒鳴り散らすエベレット。

しかしながら幸いにして、なんだかんだ言ってもエベレットもモードの絵が好き。

窓ガラス、鏡、そして家の外まで。モードの色に染まっていくエベレットの家には、まさしく一気に春色へと季節が変わったかの様でしたね。

 

 

私の印象に残ったワンシーン。

生活雑貨店でモードの絵を売る時、店主から言われた「こんな絵なら、ウチの子供でも描ける。」と言う言葉に対し、「言うのは容易いんだ!」「クタバレ!」と怒鳴りながら店を去るエベレット。

それを見たモードも嬉しそうに「クタバレ!」と呟き、エベレットの後を付いていくシーン。

 

 

結婚式のあとに結ばれるシーンでの「私達はひと組の伸びきった靴下と穴だらけの靴下」というくだりと、その言葉に対する返答のシーンも良かったでしたね。

 

人生のほとんどを、言葉は悪いですが、ほぼ貧乏暮らしの中で過ごされたという、モード・ルイスとエベレットのご夫婦。

 

本当のしあわせとは何か?

 

サリー・ホーキンスが、この「モード・ルイス」を演じながら、その生き方を以て、我々に体現してくれていました。

 

身の丈に合った月並みな暮らしの中、好きな人と一緒に食事を摂って寝て、何よりも好きな絵画を描いて一生を過ごす。

 

それに勝る喜びはないという事でしょうね。

 

人生に一体何を望むのか?

モードとは、生きてきた時代が違うという言葉で片付けるべきなのか?

現代人の我々にこそ、この映画は「しあわせ」の定義というものを訴えかけているのかも知れないですね。

 

衣食住に贅沢をしなければ、趣味を大事にしながら、自立した大人の生き方が出来るし、他人は他人、自分は自分の人生があるとでも言いたげな作品でした。

 

ただ、モードの実の兄と叔母が本人の為に良かれと思ってしでかしたことでしょうが、過去に衝撃的な事実がある事が明かされた際には、観客の私もかなりのショックでした。

そう言う意味合いでは、決して、邦題のいう「しあわせ」と呼べるほどの幸福一杯の人生ではなかったのかも知れないですが、無骨で朴訥な人柄ですが、夫エベレットとの出会いを通して、モードは、新たな「しあわせ」を手にすることが出来て本当に良かったと思えましたね。

 

※以下、モード・ルイスの描いた本物の絵画の画像です!

素朴なタッチながら、繊細で、すごく細部まで拘った凝った絵画に仕上がっていますよね。

 

▲スノーボール

 

▲3匹の黒い猫たち

 

全編に亘って、自然光で撮影された映像は、カナダの港町外れの田舎町の風景に美しさと真実味を帯びていて、鮮やかな色彩で描き出される風景は、モード・ルイスの絵と同じく、春夏秋冬、まさに喜びに満ち溢れていました。

 

自然光を採り入れた撮影手法が奏功したのか、カナダの田舎町の原風景の映像美も良かったですが、使用されている楽曲も凄く良くて雰囲気を盛り上げてくれていました。

 

▲モード・ルイスご本人(1903年生~1970年没)。

 

エンドロールの際に、ほんの少し登場するモード・ルイスとエベレットのご夫婦ご本人のモノクロ映像が流れるのも良かったですし、エンドロールのテロップの合間合間にモード・ルイスの描いた本物の絵画が挿入されていたのも非常に良かったです。

 

▲冬のシカと子ジカ

 

 

 

私的な評価と致しましては、

身の丈に合った生活のみで充分しあわせを満喫した半生を送ったとされる、カナダで最も有名な素朴派の女性画家のモード・ルイスの半生の実話を、あのサリー・ホーキンスが好演するばかりでなく、夫のエベレット役のイーサン・ホークも無骨で朴訥な人柄のキャラクターを熱演。夫婦の絆を体現してくれていました。

彼女らの生活ぶりを通して、周囲の白い目に負けない生き様や、困難に遭っても努力で道を切り開いている姿は何よりも勇気と希望を貰えましたし、本当の<しあわせ>とは何なのかと自問自答してしまう様な作品でした。

兎に角、大袈裟に描写する事無く、多くを語らす事もなく、あくまでも夫婦の絆の<日々>を丁寧に描いてくれている点が素晴らしかったですね。

従いまして、五つ星評価的にも、ほぼ満点の四つ星半の★★★★☆(90点)の評価も相応しい作品と思いました。

 

※今回は、土曜日も終日勤務のある彼女と一緒に劇場鑑賞出来ずに、年老いた傘寿過ぎの父親と一緒に鑑賞しましたが、またセカンド上映をして下さる劇場があれば、出来れば今度は彼女と一緒に鑑賞したいと思う程の作品でした。

決して派手な映画ではないですが、デートムービー的にもオススメかと思いました。

 

●映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『ぼくの名前はズッキーニ』(2016年) #MOVIX京都 #ストップモーションアニメ

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もう1ヶ月以上も前に劇場鑑賞に行った作品ですが、あくまでも私の備忘録的に本ブログに投稿し、記録に留めさせて頂きたいと思います。

 

昨年度の第89回アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされたフランスとスイスの合作のストップモーション・アニメーション作品で、世界各国の映画祭で大絶賛された作品であり、あの日本のアニメ映画『この世界の片隅に』の片渕須直監督も、激賞されて、かなり推してられるアニメ映画という事もあり、今年の2/15(木)にレイトショーで『デトロイト』を鑑賞に行き、深夜遅くに帰宅した、明くる日の翌日2/16(金)の朝一番に、ちょうど母親をガン治療の為の送迎にクルマで送って行った合間の時間を利用して観る事が出来る時間帯の映画を観ようと思案していましたところ、この『ぼくの名前はズッキーニ』が吹替版ではありましたが、朝9:15から上映時間が僅か約66分間の上映時間でしたので、新京極の繁華街のシネコン・MOVIX京都での1人での鑑賞は本当に久し振りで、パニック障碍持ちの私の場合、かなり緊張しましたが、頑張って劇場鑑賞に赴きました。

 

 

「子供を取り巻く問題をシニカルに描いた傑作(18.2/16・吹替版)」

ジャンル:人間ドラマ

原題:MA VIE DE COURGETTE

製作年/国:2016年/スイス=フランス

配給:ビターズ・エンド=ミラクルヴォイス

公式サイト:http://www.boku-zucchini.jp/

上映時間:66分

公開日:2016年2月10日(土)

監督:クロード・バラス

 

日本語吹替版キャスト:

峯田和伸(ズッキーニ)、麻生久美子(カミーユ)、リリー・フランキー(レイモン)、浪川大輔(シモン)、早川舞、ちふゆ、小若和郁那、赤坂柾之、実川貴美子、熊谷海麗、松本沙羅、引坂理絵、宮本誉之

 

 

【解説】

母親を亡くし孤児院に入れられた少年が周囲の人々との関わりの中で成長していく姿を描き、第89回アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされたフランス&スイス製ストップモーションアニメ。

アルコール依存症の母親と2人きりで暮らす9歳の少年ズッキーニ。

ある日、ズッキーニの過失によって母親が死んでしまう。

親切な警察官に保護されて孤児院で暮らすことになった彼は、新たな環境の中で自分の居場所を見つけるべく悪戦苦闘する。

 

フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門の最高賞にあたるクリスタル賞と観客賞をダブル受賞。

 

日本では、東京アニメアワードフェスティバル2017の長編コンペティション部門に出品・上映され、優秀賞を受賞している(映画祭上映時タイトル「ズッキーニと呼ばれて」)。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

▲毎月の母のガン治療の為のクルマでの送迎の待ち時間を利用して、新京極のMOVIX京都まで、御池地下駐車場にマイカーを止めて、朝一番の吹替版の9時15分からの上映回に、本当に久し振りにお1人様鑑賞にて観て来ました。

 

前述した通り、昨年度(2016年度)・第89回アカデミー賞長編アニメーション部門にもノミネートされたフランス&スイスの合作のストップモーション・アニメーション作品であり、世界各国で大絶賛された本作品。

 

これが長編デビューとなったアニメ作家のクロード・バラス監督。

 

 

ともすると実写映画でも製作出来そうな話ではありましたが、殊の外お話しの内容がハードで重たいため、監督は、こういった問題を実際に抱えている子供達にエールを送るつもりで作ったのではないかとも思いました。

 

それならば、デフォルメされた人形アニメの方が子供達には取っ付きやすいかもしれないと考えたのではとも単純に考えたりしました。

 

 

児童虐待や性的虐待、育児放棄(ネグレクト)にイジメ問題に加え、昨今では移民問題など、児童を取り巻く問題は世界共通。

 

 

屋根裏の窓から凧揚げをしながら、母親が空けたビール缶をタワーの様に積み上げるズッキーニ。

 

 

まさにズッキーニは育児放棄(ネグレクト)状態だったのですが、或る日不慮の事故で母親を亡くした彼は孤児院に連れて行かれるのでした。

 

 

当初は所持品の大切な凧を取り上げられたりと、通り一遍のイジメに遭いながらも似たような境遇の仲間達と次第に打ち解けていき、自分の居場所を見付けていくのでした。

 

 

スキー合宿でのポール先生DJのダンスパーティーでのクロマニヨン人ダンス、雪山での雪合戦、仮装パーティー、そして初めての恋。

 

 

 

 

独りぼっちで、屋根裏部屋で遊んでいた当時のズッキーニはもうここには居ない。

 

 

また、この映画は何も単にズッキーニだけを描いているのではない。

 

手が震えてしまっている子、毎晩オネショをしてしまう子、孤児院・フォンテーヌ園の近くにクルマが来る度に「ママ!?」とドア開けて辺りを見回す子。この孤児院の子供達も皆やっぱり問題を抱え、家族の温もりが恋しいのでした。

 

 

フォンテーヌ園の心優しき問題児であたかも「ドラえもん」におけるジャイアンの様な、皆のリーダー役のシモンに至っても眠る時は指しゃぶりをしちゃうし、母親からの手紙がないとすごく悲しそうでした。

みんなをついついイジメちゃうのも寂しさの裏返しなのかも知れないですね。

 

 

スッキーニにしても、ズッキーニの母親には問題があったにせよ、本名の<イカール>ではなく、その母が付けてくれたニックネームの<ズッキーニ>と呼ばれたいと拘る辺りからも、決して自分の母親を嫌っていた訳ではない。

 

この<ズッキーニ>というニックネームは何故に野菜の名前なのかと不思議に思っていたら、検索エンジンサイトで「ズッキーニ」と検索していたら、<LGBTのセクシャリティマイノリティ用語>の中の言葉に行き当たり、要は、クィアプラトニックな関係(即ち、恋愛関係ではないが、より親密で感情的な絆が存在する)にいるパートナーのことを指す言葉らしく、謂わば、恋人未満友達以上みたいな間柄をいうらしく、母親が名付けた理由はここでは解りかねますが、劇中での比喩としては、ここに由来するのでは勝手乍ら推察致しております(汗)。

 

 

そう思えば、本作でも随所に、SEXネタの性の芽生えを繊細に織り込みつつ脚本化したのが、セリーヌ・シアマ(『水の中のつぼみ』、『トムボーイ』の監督&脚本担当)というのも頷けますね。

やはり<性>の隠し味があることが、大人にとっては噛み応えのある作風に繋がっていたのでしょうし、日本にももっとこんな大人が観ても堪えうるアニメ作品が増えて欲しいですね。

 

 

本質的な、アニメーションの技巧的な面では、『コララインとボタンの魔女』、『KUBO/二本の弦の秘密』のスタジオライカや、イングランド製の『ウォレスとグルミット』のアードマンらのアニメーション技術には到底敵わないとしても、本作品は、素朴な作りとお話しの無い様で、温もりを与えてくれていたアニメ作品だと実感致しました。

 

この作品からは、子供達に寄り添う目線に立ったクロード・バラス監督の優しさを感じましたし、また安易な解決を与えないラストも問題意識の高い欧州映画らしさを感じました。

 

 

私的な評価としましては、

人形アニメのストップモーション・アニメーションの技巧的な意味合いでは、『KUBO/二本の弦の秘密』などのスタジオライカや『ウォレスとグルミット』といったイングランドのアードマンらには到底敵わないにしても、本作は、そもそも子供達の演技を参考に創り出された人形アニメの映像と台詞がとても真実味を帯びていて本当に愛おしくなってきましたし、性の芽生えのくだりや児童虐待などの数々の諸問題の非常に重い主題の内容的な点からも、子供よりもむしろ大人向けのアニメと思えるほどでしたね。

昨今のストップモーション・アニメーション映画では『KUBO/二本の弦の秘密』も良かったですが、この『ぼくの名前はズッキーニ』も、あの片渕須直監督が激賞・絶賛されて推しておられる作品である事からも中々の力作でしたし、僅か66分間で、これだけの訴求力を発揮するのは至難の業だと思いました。

従いまして、五つ星評価的にも、ほぼ満点の四つ星半の★★★★☆(90点)の評価も相応しい作品かと思いました。

 

子供を取り巻く虐待などの諸問題と言った、殊の外パンチの効いたハードで重い主題の内容ですから、一瞬たじろぐんでしまいそうになりながらも、この人形アニメの可愛らしさ、愛おしさから、更に、切なさも増しますが、性の芽生えのくだりなどシニカルな笑いも振りまき、その皮肉さを通り超して、逆に温かい気持ちにもなってくる凄く愛おしくなる映画でした。

 

子供達よりも、むしろ多くの大人達に鑑賞して欲しい作品でした。

 

私も機会があればもう一度今度は日本語字幕版で観てみたいです!

 

●映画『ぼくの名前はズッキーニ』予告編

 

 

 

●映画『ぼくの名前はズッキーニ』日本語吹替版本編映像

 

 

 

 

 

 

 


朗報!京都・出町座さんでセカンド上映が決定しています!

来たる、4/14(土)より字幕版も吹替版も予定との事ですので、この機会に是非多くの映画ファンの御方々にもご覧頂ければと思っています。

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

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